「キャットストレッチ」は、ピラティスのウォームアップに使われる定番のエクササイズです。
肩が丸まっていて、だらーんとした猫背の姿勢なりやすい方にもおすすめ。
背骨を伸ばせて気持ちいいキャットストレッチですが、実は間違ったやり方で行うと、体を痛めてしまうこともあるんです。
「スポーツジムやピラティススタジオに通うのは面倒くさい」
「お金をかけず家で気軽にエクササイズしたい」
といった方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、ピラティスインストラクターである筆者が、キャットストレッチの正しい方法や注意点をすべてわかりやすく解説します。
マットさえあれば、誰でも家で簡単にできる手軽さがキャットストレッチのいいところ。
ぜひ試しに行ってみてくださいね。
目次
キャットストレッチとは
ピラティスのキャットストレッチは背中を丸めたり、反ったりといった動きを繰り返していき、背骨の柔軟性を高めることができるエクササイズです。
たくさんの筋力を使わずに行えるので、運動不足で体力のない方や女性でも安心して取り組めます。
また体が硬くて、普通のストレッチが苦手な方でも無理なく行えるため、ピラティスエクササイズの中でも男女問わず人気です。
では、次にキャットストレッチを行うと得られる効果についてご説明します。
キャットストレッチの効果
キャットストレッチの効果は主に2つあります。
- 猫背や肩こりの改善
- 背骨が柔らかくなる
これらの理由も説明しますね。
猫背や肩こりの改善
キャットストレッチは、肩が丸まっている猫背の姿勢や肩こりの改善に効果があります。
その理由は以下の2点です。
- 背骨を支えていて体の軸となる筋肉、脊柱起立筋を使うため
- こり固まってしまっている胸周りの筋肉、大胸筋をストレッチできるため
背骨に沿うように存在する脊柱起立筋は、上半身の筋肉を支えるために重要な役割をしている筋肉です。
脊柱起立筋が弱くなると、背中を伸ばしたり反らせたりといった動作がしにくくなり、猫背姿勢や肩こりを招く原因に。
さらにパソコンやスマホの使いすぎなどによって、大胸筋は硬くなりやすく、それをそのまま放っておくことも姿勢のトラブルにつながります。
猫背姿勢にならないためにも、キャットストレッチで背中の筋肉を鍛えながら、胸の筋肉のコリをほぐしていきましょう。
背骨を柔らかくする
キャットストレッチは「背骨を一本一本動かす」ことができるエクササイズで、背中がカチコチに硬く、腰痛になりやすいという方にもとても効果的。
通常のストレッチの場合、筋肉を伸ばすことだけに注目しがちです。
しかし背骨の柔軟性を高めるためには、ただ伸ばすだけではなく、骨の動きを意識することが有効。
普段の生活を振り返ってみると、背骨を動かす機会はなかなかありませんよね。
背骨のまわりにある筋肉は、長時間座りっぱなしで仕事をしたり、ずっと同じ姿勢を続けていると、どんどん凝り固まってしまいます。
とくに普段から「背中や腰が張りやすい」と感じる場合は、背中を丸める動きをしっかり行うことが大切です。
腰痛の改善にも効果的なキャットストレッチで、背中の筋肉をゆるめてくださいね。
キャットストレッチの正しいやり方
ではここから、キャットストレッチの正しいやり方を説明します。
早速実践してみましょう!
スタートポジション
まず、スタートポジションの説明から。
- 手とひざを床におき、四つんばいの姿勢をとります。
- 両手は肩幅に開いて、手首は肩のちょうど真下におきます。
- 脚は腰幅に開き、ひざは股関節の真下にセットしてください。
- 背骨はまっすぐ、頭から腰まで一直線に伸ばすようにしておきましょう。
エクササイズの際にひざが痛くなる可能性があるので、ヨガやピラティスのマットか厚めのバスタオルを敷いて行いましょう。
キャットストレッチの手順と呼吸のやり方
それでは、ピラティスの呼吸法とともに、キャットストレッチのやり方を解説します。
- 息を吸って準備します。
- 口から「ふー」と吐き出しながら、腰の骨から頭まで背骨を順番に丸めていきましょう。
- ひざとひざの間に目線を送り、背中を丸めた状態をキープしたまま止まります。
- 3のときに、胸を膨らませるようにして息を吸っていきましょう。
- 今度は、頭から順番に背骨を伸ばしていきます。
- 最後に、あごを上げすぎないようにしながら、胸を気持ちいいところまで反らせます。
- この動きを呼吸続けながら、ゆっくりと5回繰り返しましょう。
キャットストレッチを行う際の3つポイントと注意点
次に、キャットストレッチを行う際のポイントと気をつけることをお伝えします。
①背骨を一本一本、順番に動かす
背骨をひとつひとつ順番に動かすことが、キャットストレッチで一番重要なポイント。
何も意識しないで背中を丸めようとすると、背骨をしっかりと動かせず、筋肉を正しく使えない可能性があるからです。
背中を丸める時は腰から、反らせる時は頭の方から、順番に背骨を動かしていきましょう。
もし硬い部分があれば、そこを重点的にストレッチするように心がけましょう。
②腰を反りすぎない
キャットストレッチでは最後に胸を反らせていきますが、その際に腰を反りすぎないように気をつけてください。
出っ尻をするように背中を大きく反らせると、腰まわりの筋肉に負担がかかり、反り腰や痛痛みの原因に。
背骨を反らせる動きのときも、必ず腹筋を意識しておこないましょう。
腰を守るためにも、お腹のインナーマッスルを意識して、おへそを背骨の方へ引き寄せるようにするのがポイント。
③肩がすくまないように気をつける
せっかく肩こりに効果的なキャットストレッチをしても、肩をすくませて緊張してしまわないように。
肩がすくんだ状態になると、首や肩をおおっている筋肉である僧帽筋に力が入ってしまいます。
僧帽筋は肩こりの原因になる筋肉としても有名で、ここが緊張してしまうことで首も痛くなりやすいので注意しましょう。
どうしても肩に力が入ってしまう場合は、以下のポイントをを意識しながら行ってみてください。
- 手で床を軽く押したままで動きましょう。
- できるだけ肩は耳から遠ざけ、首をぐーんと長く伸ばすようにしましょう。
女性の場合、男性に比べると肩周りの筋肉が弱いため、四つんばいの姿勢は手首に負担がかかりやすいので要注意。
体に痛みを感じたときは、休みながら行うか回数を減らしていき、無理せずご自身のペースで動きましょう。
まとめ:キャットストレッチで体をすっきりさせよう
ここまで、キャットストレッチの効果や正しいやり方、エクササイズを行う際のポイントを説明しました。
数あるピラティスエクササイズの中でも、猫背や肩こり解消に効果的で、背骨を柔らかくしたい人におすすめのキャットストレッチ。
腰の反りすぎや肩をすくませないなどの注意点に気をつけながら、背骨を一本一本動かすようにすれば、エクササイズの効果がさらにアップします。
運動不足な方や体が硬い方など、男性でも女性でも楽しめるのも魅力ですね。
キャットストレッチでお疲れの体をすっきりさせて、気分もリフレッシュさせましょう!