インクラインカールのやり方、角度設定、重量を徹底解説

インクラインカールは力こぶの部分に当たる上腕二頭筋を鍛えるトレーニングです。

背もたれが傾いたベンチに腰掛けてダンベルを上下する動きのため、ひじの角度やダンベルの重量、1セット何回おこなうべきかわからないことが多い種目。

この記事では初めてインクラインカールに挑戦する人でも、狙った筋肉に効果的に刺激があたえられるように、フォームや意識するポイントを詳しく解説します。

腕まわりの筋肉を大きくしてタンクトップが似合う上半身になりたい方は必見ですよ!

インクラインカールとは上腕二頭筋に高負荷をあたえる筋トレ

インクラインカールでは上腕二頭筋と呼ばれる、いわゆる力こぶの筋肉を鍛える種目です。

筋肉を強く、太くするメカニズムの1つに『ストレッチの負荷をかける』というものがありますが、実はインクラインカールが上腕二頭筋にストレッチの負荷をかける最も効率的な種目なのです。

このような種目の特性から、上腕二頭筋の最重要種目と言われています。

上腕二頭筋は長頭と短頭で構成されている

上腕二頭筋
上腕二頭筋

上腕二頭筋は主にひじを曲げるために働く筋肉ですが、肩関節をまたいで接続している為、肩関節の動きにも影響し、腕を前方に上げる働きも持っています。

そのため、このインクラインカールのように腕が身体よりも後ろにある (肩関節が進展された) 状態をつくると上腕二頭筋がストレッチされたポジションになるのです。

上腕二頭筋を構成する長頭と短頭のうち、『腕を前方にあげる働き』は長頭が主に担当します。

つまり、インクラインカールは上腕二頭筋を効率よく鍛えるが、特に長頭を刺激する効果が高い。と言えます。

インクラインカールで上半身のトレーニングを効率化させる

力こぶ=上腕二頭筋は男性にとって力強さの象徴です。

ジムでトレーニングをしていると、盛り上がったたくましい力こぶのある男性に目が行きがちです。

上腕二頭筋はTシャツやタンクトップを着た時にとても目立つ筋肉のため、狙って刺激をあたえると見た目の印象がとても変わります。

そして、腕のトレーニングとセットでおこなわれることの多い背中の種目。

重いものを持ち上げるようなトレーニングの場合、背中の筋肉よりも上腕二頭筋が先に疲れてしまい背中を追い込めないことがあります。

背中の筋肉は上半身の中でも大きな筋肉に当たるため、全身を効率的に鍛えるためにもインクラインカールで上腕二頭筋を鍛えることが必要です。

インクラインカールのポイント

インクラインカールをおこなおときのポイントを説明いたします。

正しいフォームを身に付けるために、ぜひ参考にしてください。

ひじのポジションが1番のポイント

インクラインカールは肩関節が上腕二頭筋をストレッチするポジションである事が効果を出すために大切な最大のポイントです。

疲れてくると、少しずつひじが前に出てしまう事がありますが、これではストレッチが緩み、負荷が抜けてしまいます。

動作中は常に肩の真下にひじがあるように意識すると効果が高まります。

効果を高めるために手首を使わない

インクラインカールに限らず、カール系の種目のコツは手首を使わないようにする事です。

動作の途中に手首が動いてしまうと、ターゲットとなる上腕二頭筋への負荷が抜けてしまいます。

手首が動かないようしっかりと固定しておきましょう。

また、指に近い所で握っても手の中でダンベルが動き同じように負荷が抜けてしまいます。
ダンベルは手のひらでしっかり保持し、グラグラと動かないよう注意して下さい。

肩甲骨はやや寄せておく

インクラインカールで肩に違和感や、痛みを感じる方がいますが、肩甲骨が開き、肩が前に出た姿勢になっている事が多いです。

動作を始める前に、肩甲骨を寄せてやや胸を張るポジションを作るように心がけましょう。

 

インクラインカールのやり方

インクラインカールは基本フォームやダンベルの重量、セット回数について解説していきます。

基本のフォーム の解説

  1. アジャスタブルベンチを45°に設定します(座面も角度が変えられるタイプなら座面を30°に設定)
  2. 両手にダンベルを持ち、背もたれに寝るようにベンチに座ります
  3. 上腕二頭筋を収縮させて肘を曲げたまま、肩の真下に肘を固定します
  4. 肘の位置がなるべく変わらないよう、肘をゆっくり伸ばしてダンベルを下ろしていきます
  5. 4の時、てのひらは正面を向けるようにします。
  6. 肘が伸び切る直前で丁寧に切り返し、大きな力こぶをつくる事を意識しながらダンベルを巻き上げます
  7. 4と6を一定のテンポで繰り返します

おすすめの重量、回数、セット数

インクラインカールは筋肉にとても強いストレッチをかける種目です。重すぎる重量を扱う事は怪我に繋がりますので避けてください。
初めて行う方は2〜3kg程度のダンベルでウォーミングアップし、10〜15回おこなえる重量をメインセットにしましょう。

インターバルは1分程度でメインの重量を3セット行うと効果的です。

トレーニングに慣れてきた方でも上腕二頭筋の種目は8回~15回しっかりコントロールできる重量で行う事をおすすめします。

ベンチ台の角度は45度からスタート

基本フォームのベンチ台は45度に設定しましょう。

この角度で上腕二頭筋のストレッチを十分感じる事ができない方はさらにベンチの角度を倒してみましょう。

ただし、以下の条件に当てはまる場合はすぐにベンチの角度を45度に戻しましょう。

  • 肩の真下にひじを固定できず、前に出てしまっている
  • 上腕二頭筋では無く、肩がストレッチされている感覚がある

上腕二頭筋は比較的、すごく強い力を発揮できる筋肉ではありません。無理な姿勢で強い負荷をかけると筋肉が損傷するリスクが高まります。

適切なポジションで負荷を書ければ筋トレの効果は十分発揮されますので、無理せずにご自身にあった角度で実施してください。

インクラインカールをおこなうときの注意点

インクラインカールをおこなうときの注意点をご紹介いたします。

ダンベルを内側に巻き込まない

ジムでインクラインカールをやっている人を見ると、ダンベルを上げ下ろししている時、クルッと手首をひねっている方を見かけます。

結論から言うと、手首を内側に回す必要はありません。

上腕二頭筋には「前腕を外にひねる」という働きもあり、その機能に注目して手首を回すという狙いがあると考えられますが、トレーニングの性質を考えると実はまったくの逆効果です。

ダンベルを下ろした時に、前腕を内にひねるという事は上腕二頭筋が脱力するという事です。

インクラインカールの狙いはストレッチの負荷をかける事なので最大のストレッチがかかっているポジションで脱力をしてしまったら効果が半減します。

手のひらは常に正面に向けておき、ダンベルが一番下に来た時も上腕二頭筋が緊張している状態をつくりましょう。

スタートポジションに注意

インクラインカールは肩関節、肘関節共にとてもストレッチされたポジションになります。

極端にストレッチされたポジションから動作を始める事は怪我のリスクを高める事に繋がりますので、フォームで解説した通り肘を曲げたポジションからスタートする様にしてください。

まとめ

インクラインカールで上腕二頭筋を鍛える方法について解説をしました。

効果が高い一方でけがのリスクとも隣り合わせです。

ただしいポイントをおさえればすぐに怪我をする事はありませんので、力強い腕を手に入れて下さい。