大人の女性に人気のエクササイズといえば、「ピラティス」や「ヨガ」を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし実際、「ピラティスってヨガみたいなもの?違いはあるの?」といった疑問はありませんか?
実はピラティスとヨガは、その目的や効果、動き方などにかなりの違いがあるのです。
そこで今回はヨガ経験もあるピラティスインストラクターの筆者が、意外と知られていない「ピラティスとヨガの違い」について、ひとつひとつ解説します。
「ピラティスとヨガ、どっちを習うべき?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ピラティスとヨガの違い①:目的
まずはピラティスとヨガの目的の違いをご説明します。
ピラティスは姿勢・筋肉のバランスを整える
ピラティスは第一次世界大戦中にリハビリ目的で考案されたメソッドです。
主な目的は、体幹やインナーマッスルを強化しながら、全身の筋肉・骨格のバランスを整え、機能的な体を作ることを目的としています。
そして、体がより無理なくスムーズに動けるように、本来あるべき正しい姿勢を作ること、「体と心のコントロール」が最終的なゴール。
現在では、ピラティスを行う人の目的はリハビリにとどまらず、運動不足の解消やダイエット、姿勢改善などさまざまです。
また、専用のマシンを使ったピラティスレッスンの場合、日常の生活でなかなか使えない筋肉を効率的に鍛えられます。
海外でメジャーなマシンピラティス。近頃は日本でも効果の高さが話題になっています。
ヨガは心を安定させて平和な状態にする
ヨガの本来の目的は、安定した平和な心を作ることです。
インドの宗教観や思想に基づいた修行法として始まったヨガは、精神面に重きを置きます。
そのため、ポーズがいかに綺麗にできるかを重視するのではなく、自分の心に目を向け、精神を統一することがヨガの目的。
しかし時代とともにその形は変化し、美容やフィットネスのために行われるヨガも生まれています。
ピラティスとヨガの違い②:効果
ピラティスもヨガもそれぞれ、体や心に対するさまざまな効果があります。
ピラティスは「姿勢改善」と「体の引き締め」に◎
ピラティスは姿勢の要である体幹を鍛えるので、姿勢の改善にたいへん効果があります。
正しい姿勢を身につけることで、肩こりや腰痛などの痛みも和らぎ、体が快適に動けるのです。
ピラティスのエクササイズは常にお腹の深層筋を働かせるため、お腹の引き締めにも効果が抜群。
さらに下半身や背中、肩などの大きな筋肉を強化し、代謝が上がることで、全身の引き締めにもつながります。
ヨガは「心身のリラックス」と「体の柔軟性アップ」に◎
ヨガは体・心・魂のつながりを大切にしているため、ゆったりとした呼吸法とポーズ、瞑想によって心や体の緊張がほぐれメンタルが安定します。
ピラティスよりも、精神や内面に重きをおくのがヨガの特徴。
また、普段ストレッチしにくい筋肉を刺激できるので、背骨や肩、股関節まわりが柔らかくなります。
ヨガの呼吸法とポーズを正しく行うことで、筋肉のコリを解消し、血行が良くなり体がポカポカになる効果も。
ピラティスとヨガの違い③:呼吸法
ピラティスとヨガの共通点は、どちらも呼吸を使って動くこと。
ただし呼吸の仕方はかなりの違いがあります。
ピラティスは胸式呼吸
ピラティスの呼吸法はメソッドによって違いがあるものの、基本的には胸式呼吸です。
鼻から息を吸いながら、アコーディオンのジャバラのイメージで、肋骨を全体的に広げます。口から息を吐くときには、肋骨を内側に集めるようなイメージで狭めるのがポイント。
ピラティスの呼吸法では、息を吸うときも吐くときもお腹を薄く平らにします。
胸式呼吸でお腹まわりのインナーマッスルが収縮され、体幹を安定させることが可能に。
詳しくピラティスの呼吸法を知りたい方は、こちらの記事をぜひ参考にしてくださいね。
ヨガは鼻呼吸・腹式呼吸
ヨガは鼻呼吸と腹式呼吸が基本。
鼻から息を吸うときにはお腹を膨らませ、息を吐くときにはお腹をへこませていきます。
鼻呼吸や腹式呼吸はを行うことで、副交感神経を優位にするため、心身のリラックスが得られるのでヨガに最適な呼吸法です。
ピラティスとヨガの違い④:服装
ピラティスとヨガの服装にも多少の違いがあります。
ピラティスの服装はヨガと同じでOK
ピラティスの服装は、ヨガウェアであれば基本的には問題ありません。
実際、ヨガブランドを着てピラティスのレッスンを受講する人が多いです。
ピラティスの服装選びは、以下のポイントを参考にしてください。
- 汗を吸収・速乾しやすい
- 肩やひざ、股関節などの関節が動かしやすい
- 体のラインが適度に見える(インストラクターが動きをチェックするため)
スタジオによっては靴下が必要な場合もあるので、レッスンを受ける際に確認してみてください。
ヨガの服装はクラス別に使い分けて
ヨガを行う際は、心身のリラックスが大切なため、ゆったりとした着心地のウェアが適しています。
ピラティスと同様に、関節を大きく動かすポーズが多いので、体が動かしやすく伸縮性のあるタイプを選ぶのが無難です。
ホットヨガを受ける場合、普通のヨガウェアではなく、ホットヨガに対応した服装を選び汗対策をしましょう。
ピラティスとヨガの違い⑤:マット
ピラティスとヨガのマットの違いについてご紹介します。
ピラティスのマットは厚めのものをチョイス
ピラティスのマットは、厚さが1.2cm〜1.5cmのものがベストです。
ピラティスのエクササイズは、寝ながら動くことが多く、マットが薄いと背骨や関節を痛めやすくなります。
自宅で練習する場合も、できるだけピラティス専用のマットを使用して安全に行いましょう。
ヨガのマットは滑り止め付きのものをチョイス
ヨガのマットは、厚さが薄く、滑り止めが付いているものが適しています。
立ったままポーズをキープしたり、バランスを取ったりするときに足が滑りにくく安全です。
ピラティスに比べると、ヨガのマットはカラーやデザインが豊富にありますので、ご自身の好きなものを選びましょう。
ピラティス向きな人、ヨガ向きな人をそれぞれの特徴を解説
ピラティスに向いてる人、ヨガに向いてる人を解説します。
どちらを始めるか迷っている方は、ぜひご参考ください。
ピラティスはたくさん動きたい人向け
ピラティスは、背骨や骨盤、関節などをなめらかに動かしながら、全身を整えるエクササイズなので、「たくさん動きたい!」「体をしっかり鍛えたい!」という方に最適。
ヨガのようにポーズをとって静止することは、ピラティスではほぼありません。
だからと言って、息が切れるような激しい動きはなく、深く呼吸しながら体幹のインナーマッスルを意識的に使います。
体に負担をかけずにできるので、体力のない女性や高齢の方でも無理なく取り組めるのも魅力です。
ヨガは体をゆったりストレッチしたい人向け
ヨガはゆったりと呼吸しながらポーズをとり体の柔軟性を高められるため、「ストレッチがしたい!」「心身ともにリラックスしたい」という方にぴったり。
体が柔らかくないとできないイメージがあるかもしれませんが、無理なく筋肉を伸ばしていくので心配はいりません。
精神面を重視するヨガは、普段仕事や家事などに追われて、ストレスを抱えやすい人にもおすすめ。
まとめ:ピラティスかヨガで迷うなら、両方とも体感してみよう!
ここまで、ピラティスとヨガの違いについて、目的・効果・呼吸・服装・マットという項目に分けてお伝えしました。
ピラティスは体幹・コアの安定を意識しながら、機能的な体と正しい姿勢をつくるエクササイズ。
ヨガのゆったりとしたポーズは、心の緊張をほどき、心身をリラックスさせます。
ピラティスかヨガどちらかで悩んでいる場合は、両方とも体験してみてはいかがですか?
実際にやってみないと、自分に合っているかどうかはわからないものです。
マットさえあればどちらも気軽にできるので、ぜひ実践してみてくださいね!