マリーチャーサナⅢは、方ひざを立て片足を伸ばした状態で上半身をねじるポーズです。
ウエストをねじりキープすることで腹部に圧を加えるため、腸の働きが活発になり便秘解消が期待できます。
今回は、マリーチャーサナⅢの効果なやり方、注意点や上手くできないときの対処法をご紹介します。
目次
マリーチャーサナⅢとは?
マリーチャーサナⅢは、「賢者マリーチのポーズ」とも呼ばれています。
賢者マリーチとは、創造の神ブラフマーの息子で、7人賢者のうちの一人である「マリーチ」に捧げられたポーズです。
マリーチは仏教では「摩利支天」と呼ばれています。パールシュヴァは側面を意味し、バカーサナは鶴のポーズのことです。
マリーチャーサナには、Ⅰ〜ⅣまでありⅠは、前屈+股関節屈曲、Ⅱは前屈+股関節屈曲+股関節回転、Ⅲはねじり+股関節屈曲、Ⅳはねじり+股関節屈曲+股関節回転を行います。
今回は、マリーチャーサナⅢの効果的なやり方、注意点や上手くできないときの対処法をご紹介します。
マリーチャーサナⅢの効果
マリーチャーサナⅢは、ウエストをねじり下腹部に圧をかけることから、以下のような効果が期待できます。
・便秘解消、消化促進
・臓器の健康を維持、促進
内臓が活性化されるので、便秘で悩んでいたり内臓に不調の多い人におすすめです。
また、肩のストレッチ、股関節痛の緩和や背骨の強化とストレッチにも効果が期待できます。
マリーチャーサナⅢ 注意点と禁忌
マリーチャーサナⅢを行う際、背中にトラブルがある場合はできるだけポーズはお休みしましょう。
また、軽症の場合はからだの様子を伺いながら慎重に行ってください。
マリーチャーサナⅢのやり方とコツ
- 両足を前に伸ばして座り、手は横に添えてください(杖のポーズ)。右ひざを両手で引き寄せ、背筋を伸ばします。
- 息を吐きながら胴体を右にツイストさせて、左腕を右太ももに押し当てます。左手でひざの外側もつかみ、右側の腰を床の方向へ緩めながら太ももを上に引き上げましょう。
- 息を吸うたびに背骨を長く伸ばし、息を吐くたびに少しずつねじります。左腕で右脚をホールドし、右手を掴める人はつかんでください。
- 頭をゆっくり右に向けて、頸椎まで完全にねじりましょう。
- このポーズのまま5呼吸くらいキープ。吐く息で体制を緩め、反対側の脚も同様に行います。
- 坐骨をしっかりマットにつける。
- 右の手でお尻のすぐ後ろの床を押しながら、胴体を少し上に持って行く。
- 背中側で手がつかめない場合は、右手を床に置き、左腕を右ひざの外側にひっかけるか、タオルを使って引っ張りあってもOK!
ポーズがきつい&できないときの対処法
ヨガを始めたばかりの方は、「ひざを曲げて垂直に座る」ということが難しいこともあるでしょう。骨盤がうしろに沈み背中が丸くなると、背中周辺にダメージを与えてしまう恐れがあります。
骨盤をきちんと立たせるために、クッション、ブランケットなどを使用し、それらの上に座ることで骨盤を安定させてみてください。
また、右足をつく位置を少し前にして調整しても良いですよ。
ポーズの合間や最後におすすめのポーズ
ヨガのポーズの1番最後には、シャヴァーサナ(屍のポーズ)を行いましょう。屍のポーズは、全身の疲労を回復し、気持ちを落ち着ける働きがあります。
シャヴァーサナ(亡骸のポーズ)のやり方(ポーズの最後に)
- 仰向けになり、両足を肩幅くらいに広げます。両手は手のひらを天井に向けからだの横へ。
- 全身の力を抜いてリラックスします。
- 目を閉じゆっくりと呼吸に集中しながら、腹式呼吸を行ってください。
- 少しずつからだに意識を戻してください。
- 両手を頭の上にあげて全身を気持ちよく伸ばします。
- 腕をゆっくり下ろし、ひざを立てたら両手を使ってゆっくり上体を起こします。
- 肩や首の力は抜き、二の腕はしっかり床にあずける。
- お腹・腰・お尻・足全体の力を抜く。
チャイルドポーズ(ポーズの合間に)
チャイルドポーズはポーズの合間に行うポーズで、クールダウンをしたいときに行いましょう。
チャイルドポーズは、全身の疲労を回復させたり、リラックスする効果があります。
- 正座になり、おでこを床につけましょう。
- 両手は手のひらを天井に向けてからだの横にそえ、全身の力を抜きます。
- 耳と肩を遠ざけ、肩は抜く。
- お尻の坐骨を両足のかかとの上に体重が均等に乗るように乗せ、腰を床のほうに落とす。
- 両ひざの間は握りこぶしひとつ分開け、おしりとかかとをくっつける。
マリーチャーサナⅢが難しい人におすすめのポーズ
マリーチャーサナⅢがなかなかできなかったり、難しく感じる場合はもう少し難易度の低いポーズから取り組むのがおすすめです。
マリーチャーサナⅢを行う前におすすめのポーズがありますのでご紹介します。
バラドーヴァジャーサナ
マリーチャーサナⅢでからだをひねるのがきつく感じる人は、先にバラドーヴァジャーサナ(賢者のポーズ)を行うとひねりの動きがスムーズになりますよ。
効果
腰痛の緩和、背中の緊張を緩める
賢者のポーズは、からだをひねるのが苦手な場合でも、比較的行いやすいポーズです。
禁忌・注意点
お腹をひねるので、生理中や下痢の人はお休みするか体調を見ながら行いましょう。
賢者のねじりのポーズのやり方
- 両足を前に伸ばして座り、手は横に添え(杖のポーズ)、両足をからだの右側につけるようひざを曲げます。
- 左足の土踏まずに左足の甲が重なるようにして、両手を床について背筋を伸ばします。
- 右手を左ひざに添え、左手は後ろにつきます。息を吸いながら、背筋を伸ばしましょう。
- 息を吐きながら、上半身を左側にねじります。目線は後ろへ向けてください。
- ⑤④の状態を3呼吸〜5呼吸キープします。吐く息でからだをほどき、反対側も同様に行いますしょう。
上記の体勢がきつい場合は、お尻をしっかり床につけ、からだの軸が傾かないことに気をつけながら、背筋を伸ばすだけでもOKです。
賢者のねじりのポーズのポイント
- ポイント1:下の足の土踏まずに上の足の甲を置く。
- ポイント2 :お尻が床から離れないよう意識する
- ポイント3 :肩の高さは水平に保ち、左肩を後ろに引くようにして胸を開く。
- ポイント4:上になる足側の骨盤を下に下げ、下になる足側の脇腹を上下に伸ばす。
- ポイント5:足の甲で床を押すようにすると、お尻が浮きにくい。
マリーチアーサナ Ⅰ
腕を巻きつけるのが難しい場合は、先にマリーチャーサナⅠから行ってみてください。
効果
内臓の働きを高める、姿勢を整える
禁忌・注意点
ひざのトラブルがあるとき、背中のケガ、妊娠中や生理中の人はお休みするか体調を見ながら行いましょう。
マリーチアーサナ Ⅰのやり方
- 両足を前に伸ばして座り、手は横に添え(杖のポーズ)、両足をからだの右側につけるようひざを曲げます。
- 左肩の後ろに左ひざをあて、左腕を左足外側から背中の方へ回します。
- 息を吸いながら、胸を開き、右手を背中に回し、左手と繋ぎます。
- 息を吸って背筋を伸ばし、息を吐きながら、上半身を前に倒します。
- ④の状態を3〜5呼吸キープ。吐く息でからだをほどき、反対側も同様に行います。
背中で手を組めない場合は、タオルの両端を持って行ってもOKです。
マリーチアーサナ Ⅰのポイント
- ポイント1:伸ばしている足のかかとを押し出し、太ももの裏側で床を押してください。
- ポイント2:曲げている方の股関節を、特に床に向かって強く押すようにして骨盤を安定させます。
- ポイント3:ひざを立てた方の足の裏全体で床を押す。伸ばした方のかかとは前へ押し出す。
- ポイント4:ひじを天井の方に向け、肩を引き上げることにより、胸がつぶれないようにする。
まとめ
マリーチャーサナⅢは、ウエストをねじり下腹部に圧をかけることで内臓か活発化され、便秘や消化を促進する効果があります。
他にも肩こりにお悩みの方はぜひに非常に取り入れて欲しいヨガのポーズのひとつです。
体の調子を整えたい方は、マリーチャーサナⅢを継続的におこない疲れにくい体質を目指していきましょう!