片脚を腕にのせた腕立てのポーズのやり方と効果

片脚を腕にのせた腕立てのポーズとは、片脚を腕にかけて手で身体を支えるポーズです。
別名を片脚を腕にかけるポーズとも言います。

サンスクリット語で「エーカ」は「1」、「ハスタ」は「手」、「ブジャ」は「腕」という意味です。文字通り片脚で「1」を描くポーズです。
このポーズには股関節の柔軟性を高め、体幹を強化する効果があります。
ヨガの中でも上級のポーズで難易度が高いため、自分の体に合わせたレベルのポーズからチャレンジしましょう。

片脚を腕にのせた腕立てのポーズのやり方

初心者が片脚を腕にのせた腕立てのポーズをいきなりとるには、少し無理があります。
ケガを防ぐためにも、少しずつチャレンジをしていきましょう。
まず杖のポーズ、次に象の鼻のポーズ、3番目片脚を腕にのせた腕立てのポーズをヨガブロックで補助しながらおこない、最終的に片脚を腕にのせた腕立てのポーズを完成させましょう。

杖のポーズから入る片脚を腕にのせた腕立てのポーズ

片脚を腕にのせた腕立てのポーズは、次のような順番におこないます。

①両脚を前に伸ばして座り、両手は自然に下ろし床につけます。
このときに、両方のお尻に均等に体重がかかるようにします。
体をL字型にした長座のポーズを杖のポーズといいますが、このポーズはあらゆる座位の基本になります。

②右手で左のかかとを上に上げ、左手で左ふくらはぎを持ち上げながら、左ひざを左肩の上にかつぐようにして姿勢を整えます。
肩に膝をかけた状態で左手を左のお尻の外の床につけます。

③背筋を伸ばして両手を広げお尻の両横におきます。

④おへそ下に力を入れ腹筋を使い、息を吐きながらお尻を後ろに押し出すようなイメージで足からお尻までを床から持ち上げていきます。
この時目線は前方に向けて背筋を伸ばします。
この状態を30秒ほど保ち保ち、ゆっくり呼吸をくり返します。

⑤ 反対側の足も同じようにおこないます。
効果を得るためには、脚を床から離して持ち上げた時、伸ばした脚が床と平行になるように意識しましょう。

両手でマットを押しながら全身を持ち上げるこのポーズは、手首、腕、肩、腹筋が鍛えられ、全身の強化が期待できるポーズですが、かなり難易度が高いポーズです。
慣れないうちは足がつりそうになることもあるので、体調を見ながら無理をしないようにおこないましょう。

このポーズは、伸ばした片脚の大腿四頭筋を鍛えるのがポイントです。
大腿四頭筋は下半身を支える大きな筋肉で、股関節や膝関節をスムーズに動かし、太腿を持ち上げる働きもあります。

ジャンプ力やキック力が必要なスポーツ選手の多くが、この片足を腕にかけて手で身体を支えるポーズをトレーニングのひとつてして取り入れています。
初心者は、両手と伸ばした足先の3カ所にブロックを置いて練習しましょう。

超初心者はまず杖のポーズをマスターしましょう

かなり体の固い人や下半身に筋力がない人は、杖のポーズを毎日行うと腹筋と背筋が鍛えられます。

杖のポーズのやり方は、両脚を伸ばして座り、かかとを突き出して膝はマットに押しつけるようにします。
この時、座骨をしっかり床につけます。
上半身は真っすぐに保ち、肩をグルッと外に1回まわして肩甲骨を伸ばし、手は自然に下ろし、腹筋を意識します。
杖のポーズを毎日行うと、猫背や反り腰が改善され腹筋力もつくので片脚を腕にのせた腕立てのポーズがとりやすくなります。

下半身が弱くなったと感じる人や、歩くスピードが落ちてきた人、つまずきやすくなった人などが、いきなりに片脚を腕にのせた腕立てのポーズにチャレンジすると、ケガの原因になりかねません。
自分の体に合った方法で徐々にレベルアップを目指しましょう。

片脚を腕にのせた腕立てのポーズの効果

片脚を腕にのせた腕立てのポーズは、太ももの大腿四頭筋や太もも裏のハムストリングスを強化する働きがあります。
また、股関節の柔軟性を高める効果があるため、下半身の冷えやむくみの解消効果もあります。その他にも肩や腕、手首が強化されます。

年齢とともに硬くなりがちな股関節の柔軟性を高めてくれるので、体幹の強化だけでなくバランス感覚が養われ、しなやかな体になります。
効果を得るためには、脚を床から離して持ち上げた時、伸ばした脚が床と平行になるように意識しましょう。

片脚を腕にのせた腕立てのポーズのバリエーション

象の鼻のポーズ(象徴のポーズ)のやり方

象のポーズは複数ありますが、座位から始めるこのポーズは、片脚を腕にのせた腕立てのポーズができない体の硬い人にもおすすめの基本のポーズです。
片脚を腕にのせた腕立てのポーズと同様に体幹が鍛えられます。

①蓮華座で座ります。
蓮華座とは、あぐらのように座り、右足を左の太ももにのせ、左足を右の太ももにのせます。手はそれぞれ太ももの上におきます。

②次に両手を身体の後ろで組みます。

③ひじを伸ばして、肩甲骨を寄せます。

④上体をゆっくり前に倒し、両腕は上に引き上げます。
その時、お腹から倒すようにして最後におでこを床につけます。

⑤ゆっくりと頭を起こして、あごを床につけます。そのとき首から背中がまっすぐ一直線になるように意識します。

ヨガでケガをしないために

一般的にヨガでケガをしやすいのは、手首、肩、腰、ひざ、などです。
片脚を腕にのせた腕立てのポーズはかなり難易度が高いため、手首や肩などを痛めるリスクも高くなります。

しかし逆に、このポーズをマスターすれば、手首、腕、肩、腹筋が鍛えられます。
焦らずに、段階を踏んでヨガのレッスンをすることで、難易度の高いポーズもとれるようになります。
まずは杖のポーズ、次は象の鼻のポーズ、そして片脚を腕にのせた腕立てのポーズと進めていくと、ケガをすることなく難しいポーズもできるようになります。

呼吸を大切に

ヨガをする際に大切なのは呼吸です。

動きと呼吸が連動していず、呼吸を止めた状態でポーズをとってしまうと、余分な力が入りケガの原因になってしまうことがあります。
ヨガの基本の呼吸は、鼻から吸って鼻から吐く鼻呼吸です。
ポーズに気をとられて呼吸がおろそかにならないようにしましょう。

寝る前に腹式呼吸の練習をしましょう

腹式呼吸をマスターするには、寝る前にベッドで仰向けになっておへその下に両手をあてて練習するとコツがつかめます。

まず、鼻からゆっくり息を吸いお腹をふくらませます。
次にお腹から空気を出すイメージで、お腹をへこませながらゆっくり鼻から息を吐ききります。
この自然な呼吸をくり返すことで腹式呼吸が練習できるとともに、自然な眠りに入っていきます。

ヨガの好転反応とは

体が本来の良い状態に戻ろうとすることを好転反応といいますが、ヨガをすることで体の歪みが解消されるとともに、血流がよくなります。
血流がよくなると、体にため込まれた化学物質や老廃物が体を巡るため、様々な不快症状が出ることがあります。

体が痒くなったり、げっぷが出たりと症状は人それぞれですが、ふだん食生活が不規則だったり、運動不足や睡眠不足など生活習慣に問題がある人に好転反応は強くでます。
ヨガを始めて、だいいたい1ヵ月くらいで症状は治まります。

まとめ

ヨガのポーズををおこなうときは食後の2時間は避けるようにしましょう。
片脚を腕にのせた腕立てのポーズは、バランス系のポーズの中でも難易度が高く、食事後の時間を空けないと、気持が悪くなってしまうことがあります。
空腹時の朝におこなうのが最もよいと言われます。
バランス系のポーズをとるときは、バランスをとるのに必死にななりますが、必死になればなるほどホームが乱れてしまいます。
視点を一点に置き、ゆったりと呼吸をしながら無の境地でおこなうと、重かった体がフッと浮きます。

心と体の調和が取れると、ネガティブな気持ちや考え方もリセットできます。