炭水化物抜きダイエットやケトジェニックダイエットのような、糖質を制限する食事方法に注目が集まっています。
炭水化物=糖質+食物繊維。
糖質は炭水化物の一部で脳やカラダのエネルギー源になる大事な栄養素です。
私たちが生きていく上で必要な栄養素ですが、とり過ぎると体脂肪として蓄えられるため炭水化物を抜くことが痩せる近道だと思われています。
ここに糖質制限の罠がひそんでいるのです。
糖質制限ダイエットは即効性のあるダイエットで短期間で効果が出やすく、某有名パーソナルジムのCMで瞬く間に世間に知られるようになりました。
しかし、筋トレ中の食事から炭水化物を抜いてしまうと筋肉が分解される場合もあります。
なぜ、炭水化物を抜いてはいけないのでしょうか。詳しく解説していきます。
目次
筋トレ中の食事は炭水化物を抜いてはいけない理由3つ
ご飯やパン、麺に代表される炭水化物。糖質制限ダイエットが流行り出してから「炭水化物=太る」というイメージが定着しました。
しかし、実は筋トレ中の食事から炭水化物を抜いてしまうと筋トレの効果が激減してしまいます。
その理由を詳しく探っていきましょう。
①炭水化物(糖質)は筋肉のエネルギー源になるため
炭水化物(糖質)は筋トレ中にエネルギーとして使われます。
脂肪もエネルギーになるのでは?という疑問が生まれますが、確かに体脂肪を燃焼しエネルギーとして使用されるのも事実。
何が違うのかというと、運動の種類で燃料となるエネルギーが糖質なのか、脂質なのかに分かれます。
運動は無酸素運動と有酸素運動に分かれます。
ジョギングや水泳のような低負荷を継続的に体に与える運動は「有酸素運動」と呼ばれ、
有酸素運動は、体脂肪がエネルギーとして使われます。
一方、ウェイトトレーニング(筋トレ)のような、短時間に大きな力を発揮する強度の高い運動は「無酸素運動」と呼ばれ、無酸素運動は糖質をエネルギーとして使うため、筋トレをするなら炭水化物を抜いてはいけないという理屈になります。
高負荷の筋トレになればなるほど、たくさんのエネルギーが必要になるため、炭水化物(糖質)の摂取量は増加する必要があります。
運動強度に応じて炭水化物(糖質)の量を調整するのが筋肉を増やす上でとても重要だということをしっかりと理解しておきましょう。
②エネルギー不足になると筋肉を分解してしまうため
筋トレで必要なエネルギーを食事から摂取できない場合、不足したエネルギーはどこから作られるのでしょうか。
それは、体内のタンパク質を分解することで作り出されます。
体内で、もっともタンパク質が多く含まれている組織は筋肉です。
炭水化物(糖質)からのエネルギーが得られない場合、カラダは筋肉を分解しエネルギーを生成するため、せっかくの筋トレの努力が水の泡になってしまいます。
筋トレに費やした時間と労力を無駄にしないためにも、食事から炭水化物(糖質)をしっかり摂取しエネルギー不足に陥らないように心がけましょう。
③炭水化物抜きは筋トレ中にパワーが出なくなるため
筋トレ中に体内の糖質量が不足すると、パワーが発揮できなくなったり、持続力やトレーニングのパフォーマンスがグッと低下します。
有酸素運動と異なり、筋トレのような無酸素運動は短時間で全力を出し切ることが重要。
筋トレで刺激を受けた筋繊維は、損傷後に必要な栄養素と休憩を与えることにより、破壊された筋繊維が以前よりも大きくなり、結果として筋肉量が増加。
筋肉量が増えれば、基礎代謝が上がり、食べても太らないカラダを手に入れることができるので、
筋トレするならやはり炭水化物を抜いてはいけないということにたどり着きます。
炭水化物が嫌われる原因は血糖値と体脂肪に関係があった
本来、筋トレの食事には炭水化物は欠かせない存在のはずなのですが、なぜそこまで嫌われてしまったのでしょうか。
原因は、炭水化物に含まれる糖質と血糖値の関係にあります。
糖質をとりすぎると体脂肪が増えるメカニズム
糖質のとりすぎが体脂肪増加につながるメカニズムは食後の血糖値の上昇が深く関わってきます。
私たちが食事から炭水化物(糖質)を摂取すると、体内でブドウ糖に分解され、ブドウ糖が血液中に入り血糖値を上昇させます。
血糖値が上がると、カラダは上がった血糖値を下げようとして「インスリン」というホルモンをすい臓から分泌。
インスリンは脂肪合成を高め、脂肪分解を抑制する作用を持っているため、結果として糖質のとりすぎはカラダに脂肪を蓄えることにつながるため、糖質の多い炭水化物はいつの間にか嫌われ者になってしまったのです。
血糖値の上昇をおだやかにする低GI食品
低GI食品とは、食後の血糖値の上昇をおだやかにする食品の総称です。
炭水化物は糖質が多く含まれているため、血糖値が上がりやすい食品ではあります。
しかし、炭水化物の中でも食物繊維が豊富に含まれている食品は、食後の血糖値が急激に上がりにくく、ダイエットを行っていない人でも、意識して食べて欲しい食品です。
食物繊維の中でも水溶性食物繊維は水に溶けやすく、溶けるとゼリー状になり小腸での栄養素の吸収をスピードがゆるやかになり、血糖値の上昇を抑える効果があります。
低GI食品と呼ばれる食物繊維が多く含まれる食品は、血糖値がゆるやかに上昇する食品のため体脂肪を蓄積しない食べ方のコツとして低GI食品を食事に取り入れる工夫をしてみましょう。
血糖値が上がりにくい炭水化物
- 玄米
- そば
- サツマイモ
- もち麦
- オートミール
食事=筋トレの一部!筋トレを無駄にない炭水化物のとり方
筋トレには炭水化物(糖質)が必要という理解が深まったところで、筋トレをより効果的にする炭水化物のとり方のコツ3つをお伝えしようと思います。
原則1 空腹はNG!筋トレ前は必ず炭水化物をとる
筋トレ中にパワーを最大限発揮するためには糖質の摂取が必要になります。
空腹の状態でトレーニングを開始すると、筋肉を分解してエネルギーを作り出してしまうので、
筋トレ前には糖質をしっかりと補給しましょう。
食後からトレーニングまでの時間が1時間以内の場合は消化吸収の早い食品を食べましょう。
例)バナナ、サプリメント
食後からトレーニングまでの時間が1時間以上の場合は消化の遅い食物繊維の多い炭水化物を食べて、運動中に体内の糖質がなくならないように調整しましょう。
原則2 筋トレ後も炭水化物をとる
筋トレ後に炭水化物(糖質)を補給する目的は、筋トレで損傷した筋繊維の回復に炭水化物が大きな役割をはたすためです。
目安としてはトレーニング終了後3時間以内。
1日に必要なカロリーの範囲内で、筋トレ後にサツマイモや玄米といった低GI食品を摂取すれば体脂肪を蓄積せずに筋肉の超回復の手助けとなるため意識して摂取するようにしましょう。
原則3 タンパク質と炭水化物両方しっかり食べる
筋トレにおいて炭水化物(糖質)と同じくらい大切な栄養素はタンパク質です。
激しいトレーニングによって様々な筋肉細胞が傷つき、タンパク質により修復された時に筋肉は成長します。
よって、運動後の栄養補給は炭水化物(糖質)を摂取すること同じくらいタンパク質の摂取も重要。
プロテインドリンクのように手軽にタンパク質が摂れる飲み物はコンビニでも購入できるため、
上手に活用して筋肉の成長に役立てましょう。
まとめ
炭水化物に含まれる糖質は、とり過ぎれば体脂肪としてカラダに蓄えられるため、食事から炭水化物を抜く人が増えています。
しかし、筋トレをする場合は炭水化物抜きは逆効果となり、エネルギー不足による筋肉分解を招いてしまいます。
炭水化物(糖質)と上手に付き合うには、玄米やそばのような食物繊維が豊富で血糖値が上がりにくい低GI食品を食べて、エネルギーを補給しつつ体脂肪を増やさない食事を心がけましょう。
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