痩せたいけど食べたい。
空腹を我慢できず、過去のダイエットは失敗していきた。
このようなお悩みをお持ちでしょうか?
私も過去に同じ悩みを抱えリバウンドを繰り返していました。
しかし、「ケトジェニックダイエット」は空腹感を感じず、しっかり食べても痩せられるため、近年注目が集まっています。
ダイエットは脂質の少ない食事を心がけることが一般的でしたが、ケトジェニックダイエットは脂質をしっかりとるという、今までの常識を覆すダイエット方法なんです。
本記事は、栄養士の知識を元にケトジェニックダイエットの食事方法や注意点について詳しく解説する内容です。
食べないダイエットを卒業して、つらくない減量を成功させましょう!
目次
ケトジェニックダイエットとは?
ケトジェニック(ketogenic)とは「ケトン体生成の」という意味の英語です。
ケトジェニックダイエットは、糖質制限ダイエットの一種。
糖質を制限することにより糖に変わるエネルギーとして、体脂肪を分解してケトン体エネルギーが生成されるため、体脂肪がみるみる落ちていく効率的なダイエット方法です。
ケトン体は脂肪を燃やして作り出されるエネルギー源
エネルギーとして使われる優先順位は、糖質→脂質→タンパク質の順番です。
糖質たっぷりの食事の場合、体内にはいつも糖質が蓄えられた状態になり、体は糖質をエネルギーとして使い続けます。
この原理を利用し、あえて糖質を減らして糖をエネルギーとして使わず、脂肪酸をエネルギーに使うシステムにシフトすると、中性脂肪を分解してケトン体という糖に代わるエネルギーを作り出します。
脂肪酸については後述しますが、糖が枯渇した結果、体脂肪を分解しケトン体エネルギーを作り出すため、ケトジェニックダイエットは体脂肪が落ちやすいダイエットと呼ばれています。
ケトジェニックダイエットで体脂肪がみるみる落ちる仕組み
ケトジェニックダイエットで体脂肪がみるみる落ちる仕組みを詳しく説明します。
糖質制限により体内の糖が枯渇すると、中性脂肪が脂肪酸とグリセロールに分解され、脂肪酸とグリセロールは血液によって運ばれ、肝臓へ向かう途中で筋肉に使用されます。
肝臓にたどり着いたときに、肝臓で使いきれなかった脂肪酸がケトン体という物質を作ります。
ケトン体はあらゆる細胞でエネルギーとして使われるので、あえて糖質を取らない状態が続くと中性脂肪がどんどん分解されることになるので、体脂肪がみるみる落ちるという仕組みです。
ケトジェニックダイエットを行う期間は?
ケトジェニックダイエットの期間は2週間を目安にし最長1ヶ月まで。
理由としては、炭水化物を長期間摂取しないことによる体への負担が懸念されるためです。
人間が生きていく上で必要な五大栄養素。
- タンパク質
- 脂質
- 炭水化物
- ビタミン
- ミネラル
五大栄養素のひとつである炭水化物(糖質)が長期的に不足した状態が続くと低血糖の症状が現れて、イライラする、集中力が続かない、体がだるいといった症状が出るため、ケトジェニックダイエットは最長でも1ヶ月までにしましょう。
ケトジェニックダイエットは健康な方を対象としたダイエットのため、持病がある方は医師へ相談する必要があるのでご注意ください。
ケトジェニックダイエットの食事のポイント4つ
ケトジェニックダイエットは食事からの糖質を減らす必要があるとお分かりいただけたかと思いますが、具体的な食事の方法を詳しく説明いたします。
①糖質は1日60g以下に
炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質です。1食あたりの糖質を20g以下にして、1日の糖質量を60g以下にしましょう。
②タンパク質は体重×1.2g〜最大2gまで
ケトジェニックダイエットを行う方法として、糖質を減らすことの次に重要なのが、タンパク質をしっかりとることです。
目安として、体重×1.2g〜1.6g。多くても2gを超えないようにしましょう。
- 肉類:100g→約20g
- 魚類:100g→約20g
- 卵1個→約6g
- 豆腐1丁(300g)→約20g
- 納豆1パック(40g)→約6g
③カラダに良いアブラを意識的にとる
カラダに良いアブラは体脂肪がつきにくく、意識的にとるようにしましょう。
「必須脂肪酸」は体内で合成できないため食事から良質なアブラを摂取する必要があります。
必須脂肪酸はオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の2つがあり、特にオメガ3脂肪酸は一般的な食事から摂取するのが難しいため、ケトジェニックダイエットでは、あまに油、えごま油を1日小さじ1杯以上とることを薦めています。
他にも、オリーブオイル、ココナッツオイル、MCTオイルのようなカラダに良いアブラを摂取し1日に必要なエネルギーをアブラから確保しましょう。
④食物繊維を20g以上
ケトジェニックダイエットを行う上で必要な食物繊維は水溶性食物繊維、不溶性食物繊維合わせて1日20g以上。
葉野菜は糖質が少なく食物繊維が豊富なので、出来ればサラダを毎食摂取することが望ましいです。
葉野菜の他に、きのこや海藻も糖質が少なく食物繊維が豊富なので意識して食事に取り入れましょう。
ケトジェニックダイエットに向いてる食材、NG食材
ケトジェニックダイエットに向いている食材は、糖質量が少なく脂質量の多めな食材。
一般的なダイエットは脂質の多い食材を避ける傾向がありますが、糖質量を減らした分のエネルギー量を脂質で補う必要があるため、別名:高脂質ダイエットとも呼ばれています。
ケトジェニックな食材
肉類
- 鶏肉(胸肉、もも肉、ささみ、レバー、ハツ、ナンコツ)
- 豚肉(豚ヒレ、豚ロース)
- 牛肉(サーロイン、牛ヒレ、牛タン、ローストビーフ)
- 加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージ)
魚介類
- 魚(サバ、イワシ、アジ、マグロ、サーモン、ツナ缶)
- 貝、イカ、タコ
- 練り製品(ちくわ、かまぼこ、はんぺん、カニカマ)
卵
- 鶏卵
- 魚卵(いくら、たらこ、数の子)
野菜
- ほうれん草
- 小松菜
- ちんげん菜
- アスパラガス
- ブロッコリー
- カリフラワー
大豆製品
- 豆腐
- 納豆
- おから
- 厚揚げ
- 油揚げ
- 高野豆
- 枝豆
※豆乳は低糖質豆乳や無調整豆乳が糖質が少ない
きのこ
- しめじ
- えのき
- しいたけ
- まいたけ
- マッシュルーム
- エリンギ
海藻
- わかめ
- 昆布
- もずく
- めかぶ
- 寒天
- 海苔
乳製品
- バター(グラスフェッドバターなら尚可)
- クリームチーズ
- カッテージチーズ
- サワークリーム
- ギリシャヨーグルト
- 生クリーム
種実類
- アーモンド
- くるみ
- マカダミアナッツ
- ごま
- 銀杏
果実類
- アボカド
- ベリー系(ブルーベリ、ラズベリー、イチゴ)
- レモン
- カボス
- すだち
植物油
- MCTオイル
- アマ二油
- えごま油
- ココナッツオイル
- オリーブオイル
- マヨネーズ
糖質の少ないアルコール
- 焼酎
- ウイスキー
- ブランデー
- ウォッカ
- ジン
- 泡盛
ケトジェニックではないNG食材
炭水化物
- 米(白米、玄米、餅)
- 麺(うどん、そば、パスタ、ビーフン)
- パン
- コーンフレーク
野菜
- とうもろこし
- カボチャ
- にんじん
- ごぼう
- トマト
いも、デンプン類
- じゃがいも
- さつまいも
- 長芋
- 里芋
- 春雨
- タピオカ
果物
- バナナ
- パイナップル
- 桃
- りんご
- かき
- ドライフルーツ全般
糖質の多いアルコール
- ビール
- 発泡酒
- 日本酒
- 梅酒
- カクテル
- 酎ハイ
- 甘口ワイン
- 紹興酒
ケトジェニックダイエットの注意点
ケトジェニックダイエットは食事のルールが細かく設定されているため、守るべき注意点も他のダイエットにくらべると多いです。
食事が整わないと筋肉量が減ってしまう
ケトジェニックダイエットにおいて必要なタンパク質や脂質量が不足すると、筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます。
対処法として、毎日決まった時間、出来れば朝一番に体組成計で体重、体脂肪を計測し記録し体重と体脂肪率の推移を確認しましょう。
体脂肪率と除脂肪体重を記録し、もし体脂肪でなく除脂肪体重が減っていたら筋肉が減っている可能性が高いので食事の内容を見直しましょう。
最近は、体組成計の値段もお手頃になりましたので、もしお持ちでえない場合は購入を検討することクォお勧めします。
体組成計の数値をBluetoothで通信し、アプリで記録できる場合もありますので、記録の時間がない方は一度、検討してみましょう。
隠れ糖質に気を付ける
少量であれば問題ないのですが、ケチャップや味噌、コチュジャンのような糖質量が多い調味料や、パン粉や小麦を使用した料理は要注意です。
特に外食の場合、調味料がどの程度使用されているのか把握できない為、味付けは塩味のものを選択しましょう。
ケトジェニックダイエット中は、メニューや製品裏に表示されている炭水化物量を確認する習慣をつける必要があります。
糖質の多い調味料
- 砂糖
- みりん
- 味噌
- コチュジャン
- ケチャップ
- トマトペースト
- ウスターソース、中濃ソース
- 酒粕
- 餃子、シュウマイのような皮に小麦粉が使用されている料理
- ハンバーグに使用されているパン粉
- カレー、シチュー、ホワイトソースも糖質多め
お肉も脂肪も食べ過ぎれば太る原因
ケトジェニックダイエットは別名:肉食ダイエットと呼ばれています。
お肉をたくさん食べても太らないことが名前の由来ですが、お肉や脂質もとり過ぎればカロリーオーバーに。
ケトジェニックダイエットに関わらず、太る理由はカロリーオーバーが主な要因です。
消費カロリーが摂取カロリーを上回れば太ることはないので、ケトジェニックダイエットの食事方法を取り入れたのに痩せないという人は、一度ご自身の摂取カロリーを計算してみましょう。
食事の脂質量が少ない
脂肪=太るというイメージがある方は、脂質を積極的に摂取することに抵抗があります。
ケトジェニックダイエットは、糖質1日60g以内でタンパク質は体重×最大2.0gのため、残りのカロリーを脂質で補う必要があります。
糖質量とタンパク質量だけケトジェニックの食事ルールに従って摂取し、脂質量はいつもの食事通りの場合、エネルギー量の不足により、逆に痩せにくい省エネモードのカラダになってしまいます。
脂質を増やすことは怖いかもしれませんが、消費カロリーを上回らない脂質量であれば太ることは避けられるので、必要な脂質量の確保は必要です。
運動を取り入れて脂肪燃焼効果をさらに高める
ケトジェニックダイエット中は食事を整えないと筋肉量が減ってしまうので、運動を取り入れて筋肉量を維持する必要があります。
運動はジョギングや水泳のような有酸素運動ではなく、ダンベルやマシーンを使用した高負荷の無酸素運動を取り入れましょう。
ジムや自宅で無酸素運動を行うことで、筋肉量を維持し体脂肪を減らすことができるため、筋トレ+ケトジェニックダイエットは短期間で体が引き締まる効果が見込めるため、非常に効率の良いダイエットです。
日常に筋トレも積極的に取り入れ脂肪燃焼効果を高めましょう。
まとめ
ケトジェニックダイエットの方法をしっかり理解すれば、食事の満足感を下げずに体脂肪を落とすことができます。
ケトジェニックダイエットのポイントをおさらいしましょう。
- 糖質は1食20gまで。1日60g以下に。
- タンパク質は、体重×1.2g〜1.6g。最大で×2.0gを超えないように
- 残りのカロリーを良質な脂質で補う。
- 葉野菜、きのこ、海藻をたくさん食べて食物繊維やミネラルを摂取
- 筋肉量を減らさないためにも筋トレ導入を検討する
お米が食べられないことにストレスを感じるかもしれませんが、ケトジェニックダイエットは短期的なダイエットのため、ほんの少しの期間だけ炭水化物を忘れてみましょう。
空腹感を感じにくく、食後の眠気がなくなり、何よりも体重や体脂肪がみるみる落ちることに驚くはずです。
毎日体が変化していくのが楽しくなれば目標達成まであと少しです。
食べて健康的に痩せる、ケトジェニックダイエット。
今までダイエットの空腹感に耐えられず挫折してしまった方は、一度ケトジェニックダイエットを試してみてはいかがでしょうか。
コメントを残す