ダンベルベンチプレスはベンチプレスよりも手軽に始められて、ベンチとダンベルがあれば自宅でも挑戦できる種目です。
手軽に始められる反面、間違ったスタートポジションのままダンベルベンチプレスをおこなうと筋トレの効果が全くなくなってしまうので要注意です!
そこで今回は、ダンベルベンチプレスの正しいスタートポジションや重量、回数、鍛えられる筋肉に関して詳しく解説していきます。
ベンチプレスよりさらに胸に刺激をあたえたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
ダンベルベンチプレスとは?ベンチプレスとの違い
ダンベルベンチプレスとベンチプレスは、使用する道具が異なることが大きな違いですが、それ以外にも違う点がいくつかあります。
まずはダンベルベンチプレスについて解説していきます。
腕の可動域が異なる
バーベルを使用したベンチプレスの場合、バーを握った位置で両手が固定されていますが、ダンベルベンチプレスは、両腕の動きが自由になります。
大きく腕や肩を伸ばしたり、ヒジを曲げ動作範囲を広げることで、より多くの筋肉に刺激をあたえることができるため、バーベルベンチプレスより効率的な胸のトレーニングと言えます。
左右のバランスを均等に保つために腹筋も鍛えられる
ダンベルベンチプレスの軌道を安定させるためには左右のバランスをとる必要があります。
通常、利き腕の方が筋力があるため、左右のダンベルを同時に持ち上げていてもまっすぐ上がらないことが多いです。
ダンベルベンチプレスでは左右の腕がそれぞれ独立して動くためバーベルを使用したベンチプレスにくらべて体幹を意識しバランスを保つことが求められます。
胸を鍛えると同時に腹筋にも刺激が入りやすくなるため、一石二鳥のトレーニング種目と言えるでしょう。
胸をよりストレッチするならダンベルベンチプレス が優位
バーベルを使用したベンチプレスは一番低い位置は胸にタッチするギリギリの位置となります。
それにくらべて、バーベルベンチプレスは左右のダンベルが独立しているため、胸より低い位置までダンベルを下げることが可能。
ダンベルを下げるときに胸を強くストレッチすることができるためベンチプレス よりも胸や肩甲骨周りの筋肉がより収縮することが分かるでしょう。
ダンベルベンチプレスで鍛えられる筋肉
ダンベルベンチプレスで鍛えられる筋肉について、それぞれ解説していきます。
大胸筋
ダンベルプレスで主に鍛えられるのは、大胸筋です。
ダンベルを上げ下げする動きで大胸筋を使用するため、バストアップや上半身を大きく見せたい人、代謝をアップして太りにくい体質になりたい人は大胸筋を鍛えましょう。
上腕三頭筋
ダンベルベンチプレスでは、二の腕の裏側の筋肉である上腕三頭筋を鍛えることが可能です。
上腕三頭筋を鍛えることで、たるんだ二の腕を引き締めて、太い腕が目指せます。
女性の場合、プルプルした二の腕を引き締めるのに上腕三頭筋を鍛えることは有効なため、ほっそりした二の腕を目指す方はダンベルベンチプレスに挑戦してみましょう。
三角筋
三角筋は腕の付け根の筋肉です。
ダンベルベンチプレスを行うことにより、三角筋が鍛えられます。
三角筋は上半身の中でも体積の多い筋肉でもあるので、肩幅を広げたり基礎代謝を上げたい方は三角筋を鍛えると良いでしょう。
ダンベルプレスのスタートポジション
ダンベルベンチプレスにおいて最も大切なスタートポジションについて解説していきます。
- ダンベルを両手にしっかり持ちベンチに座る
- 足を肩幅より少し広めに開いて踏ん張れる体勢を作る
- ダンベルを胸の位置に持ちながら、ゆっくりとベンチの上に仰向けに寝転がる
- 肩甲骨をグッと寄せ、肩甲骨から腰にかけて大きなブリッジを作る
- 背中のアーチの下に拳1個分入るのが理想
- ダンベルを胸の上でまっすぐ持ち上げる
肩甲骨は常に寄せた状態をキープしましょう。
ダンベルベンチプレス のやり方
ポイントは、肩甲骨とダンベルの角度、ダンベルを下ろした時の位置、手首の角度です。
肩甲骨がグッと寄っていないフォームの場合、大胸筋への負荷がかかりにくくなってしまいます。
ダンベルの角度は、ハの字にするとフォームが安定します。無理に体に対して垂直のフォームをキープする必要はありません。
ダンベルを下ろした時の位置は、乳首のラインが目安です。毎回同じ位置に降ろすようにフォームを固めましょう。
手首は外側に開いてしまっても、内側にこねてしまっても負担がかかります。そうしなければ苦しいのであれば、重量が重すぎる可能性が高いです。
- ダンベルを真っすぐ掲げる
- 肩甲骨をグッと寄せた状態を作る
- ヒジが90度、ダンベルが体と水平になるようにゆっくりと息を吸いながら降ろす
- 外から内側へ小さい弧を描くようにダンベルを持ち上げる
ダンベルプレスの重量平均は?
ダンベルプレスを行う場合の男女別平均重量を調査したところ、出ていませんでした。
ただ、ダンベルプレスの重量は、ベンチプレスの最大重量の3分の1が目安と言われています。ベンチプレスの重量平均が男性で40キロ、女性で20キロなので、ダンベルプレスの目安は男性で13キロ、女性で7キロ前後と言えそうです。
ただ、ダンベルプレスを行う場合は重量よりも正しいフォームで行うことが重要です。まずは3~5キロ程度の軽めの重量でフォームを身に着け、その後自分に合った重量を見つけていきましょう。
ダンベルプレスでは7~12回で限界が来る重さが自分に合ったダンベルです。重すぎると肘や手首に負担がかかってケガに繋がるため、自分に適した重さからスタートしましょう。
ダンベルベンチプレスの注意点
ダンベルプレスの注意点を解説していきます。
家でトレーニングする場合はダンベルを落としても床が傷つかないようにトレーニングマットを敷くことをオススメします。
不安な方は誰かにサポートをお願いするか軽めの重量にするかなど危険が伴わない形でトレーニングしましょう。
ダンベルを下ろす位置が浅い
ダンベルを下ろす位置が浅い場合、胸への刺激が弱まります。
また、二の腕に負担が強くかかりすぎていて、腕の力で上げてしまっている可能性があります。
肩甲骨を寄せることを意識すれば自然と二の腕から胸に負荷がかかるようになるはずです。
重すぎるダンベルは肩の痛みの原因になる
肩に痛みが出た場合は、正しいフォームが取れていないかダンベルが重すぎるかのどちらかです。
一度トレーニングをお休みして、痛みが治まった後に重量を減らして挑戦してみましょう。
フォームが崩れるのは重量が重すぎて腕が耐えられていないことが原因の場合があります。
5キロや3キロなどの軽めのダンベルからスタートしましょう。
ダンベルカールやプッシュアップで上腕二頭筋、前腕筋、大胸筋を鍛えることでダンベルを支える筋肉が発達し、よりフォームが安定しやすくなります。
筋力に自信がない方はまずはダンベルカールやプッシュアップで筋肥大を目指してみるのもひとつの手です。
跳ね上げるようにダンベルを持ち上げてしまう
ダンベルが重すぎたり、前腕や上腕二頭筋が未発達の場合、勢いでダンベルを跳ね上げるように持ち上げる方がいます。
この場合、ヒジ関節にとても負担がかかるため、上下するスピードを一定に保ちヒジの故障を防ぎましょう。
ダンベルプレスの重量を下げつつ、並行して他のトレーニングを行いダンベルトレーニングを行う上での土台を作りましょう。
ダンベルプレスのバリエーション
ダンベルプレスのバリエーションを紹介します。
より強い負荷を与えたい人や、大胸筋の中でも別の場所を鍛えたい人は、別のメニューを取り入れることで普段使わない部位を意識的に刺激していきましょう!
インクラインダンベルプレス
インクラインダンベルプレスは、斜めに寄りかかれるインクラインベンチを利用して行うダンベルベンチプレスです。
通常のダンベルベンチプレスにくらべて大胸筋の上部を鍛えられます。
大胸筋上部は、立体的丸くて厚みのある胸部を作るのに重要な部位です。
通常のダンベルベンチプレスでは大胸筋の中部が鍛えられるので、バランス良く鍛えましょう。
正しいフォームでトレーニングするためにも、重量を軽めにし通常のダンベルベンチプレスのスタートポジションを忘れずに、正しいフォームをマスターしてから取り入れてみましょう。
デクラインダンベルプレス
デクラインダンベルプレスは、頭を低い位置に持っていき、下半身を上げて行うダンベルプレスです。
下半身を高い位置に持っていた耐性でダンベルプレスを行うことで、大胸筋の下部に負荷をかけることができます。
大胸筋の下部を鍛えることで、腹筋との境目がハッキリするので、ボディメイク上級者が取り入れる種目です。
ただし、デクラインベンチで行うダンベルプレスは不安定になりやすく、負荷をかけるのが難しいトレーニングです。
まずは通常のダンベルベンチプレスとインクラインダンベルプレスに慣れてきてから取り入れるようにしましょう。
フロアーダンベルプレス
フロアーダンベルプレスは、床で行うダンベルプレスです。
自宅でもダンベルさえあれば行えるのがメリットですが、ヒジが下がる位置が通常よりも浅くなり負荷も弱く鍛えられる範囲も狭くなります。
フロアーダンベルプレスを行う場合もスタートポジションが重要です。
肩甲骨を寄せることを意識して、手首の角度や肘の開く角度に注意しましょう。
ヒジを肩と並行に開くと肩を痛めやすくなるため、45~60度程開いて行いましょう。
ダンベルベンチプレスが初心者に向いている理由
ダンベルベンチプレスは、バーベルではなくダンベルを上げ下げするトレーニングです。
バーベルと違ってダンベルの方が取り回しが効きやすいため、トレーニング初心者でも比較的取り入れやすい特徴があります。
ベンチプレスに挑戦してみたいけど、自分にはまだ早いと感じている方やジムでベンチプレスをおこなうのに抵抗のある初心者はダンベルベンチプレスを自宅で始めてみましょう。
ベンチがあった方が効率良く上半身を鍛えられますが、もしベンチがなくてもダンベルさえあれば始められます。
ヒジが床以上に下がらないため可動域が狭くなり、鍛えられる筋肉の範囲も狭くなりますが、その分フォームは安定しやすくなるため初心者向けのトレーニングにはおすすめです。
まとめ
今回は、ダンベルベンチプレスについて正しいフォームや平均重量、鍛えられる筋肉に関して詳しくまとめました。
ダンベルベンチプレスはスタートポジションが重要なため正しいフォームさえ身につければ自宅で行える効率の良い種目です。
ぜひ挑戦してみてください。