ピラティスの定番「ロールアップ」は、背骨をたくさん動かしながら腹筋を強化するエクササイズです。
デスクワークで腰が痛い、運動不足が続いて全身カチコチ…。こんな体の不調を抱えている方にとくにおすすめ。
しかし、ピラティス初心者にとっては、ロールアップは難しく、「上手にできない」といった悩みを抱える方も多いです。
そこで今回は、初心者の方でもロールアップをうまく行うコツを、ピラティスインストラクターの筆者がわかりやすく解説します。
さらにロールアップの具体的な効果や、初心者向けのやり方から基本のやり方も紹介するので、ぜひ家で実践してみてくださいね。
目次
ピラティス「ロールアップ」の効果
まずはじめに、ピラティスのロールアップで得られる効果についてお話しします。
1.背骨が柔らかくなる
ロールアップはガチガチにかたまった背骨を柔らかく、しなやかにする効果があります。
背骨をひとつひとつ動かすことを意識するエクササイズのため、ロールアップを続けることで、背骨の柔軟性がアップするのです。
2.ぽっこりお腹を引き締める
ロールアップは腹筋の力を使いながら背骨を丸めていくので、ぽっこりしたお腹を引き締める効果も期待できます。
さらにピラティスでは、アウターマッスルだけではなくお腹のインナーマッスルを強化することが可能です。
お腹のインナーマッスルはコルセットの役割をしていて、この筋肉を鍛えることで、うすく平らなお腹をつくることができます。
さらにぽっこりお腹の原因のひとつとして、骨盤が前に傾いてしまってることが考えられます。いわゆる反り腰のような状態です。
このタイプの姿勢の方は、インナーマッスルが弱い場合が多いので、ロールアップで強化していけば、お腹の引き締めが可能に。
3.反り腰や腰痛の改善
ロールアップは反り腰や腰痛の改善にも効果的です。
腰痛の原因はさまざまですが、骨盤のゆがみからくるケースが多々あります。
骨盤は背骨の土台となる部分なので、前や後ろに傾いたりすると、腰に負担がかかる姿勢となり、反り腰や腰痛の原因になるのです。
骨盤を正しいポジションにキープするには、お腹のインナーマッスルが必要不可欠。
ロールアップで腹筋を鍛えれば、骨盤が整い、腰のだるさもスッキリするはずですよ!
それでは次に、ロールアップのやり方を説明していきます。
ピラティス「ロールアップ」のやり方
ピラティスの「ロールアップ」のやり方をご説明します。
ぜひ参考にしてやってみてくださいね。
スタートポジション
- 仰向けに寝ます。
- 脚はぴったり閉じるか、もしくは腰幅に開き、マットに沿うようにまっすぐ伸ばしましょう。
- 足首は曲げて、指先が天井の方に向くようにします。
- 両腕は肩幅に開き、頭の方へ伸ばします。手のひらは内向きです。
- 骨盤は床と平行になるように置いて、腰を反らないように気をつけてください。
エクササイズ中に体を痛めないように、なるべくヨガやピラティスのマットを使用してください。
もしない場合は、厚めのタオルの上で行いましょう。
初心者向け!ハーフ・ロールアップのやり方
次に、初心者の方向けにハーフ・ロールアップをご紹介します。
はじめてロールアップされる方は、ロールアップの準備として行うといいでしょう。
- 息を吸って、両腕を天井に向けて伸ばします。
- 口から「ふー」と吐きながら、頭の方から背骨を順番に丸めながら持ち上げていきましょう。(背骨の真ん中くらいまで)
- 吸いながら、背骨を順番にマットにつけていきます。このとき、両腕も少しずつ戻し始めてください。
- 口から吐きながら、背骨をゆっくりマットにつけていきましょう。頭を下ろしてから、両腕を頭の方へ伸ばします。
- この動きを8回繰り返します。
ロールアップのやり方
いよいよロールアップの本番!
先ほどのものより難しくなるので、無理をせず行ってくださいね。
- 息を吸って、両腕を天井に向けて伸ばします。
- 口から「ふー」と吐きながら、頭の方から背骨を順番に丸めながら持ち上げましょう。背骨が床から離れたら、体重をお尻の上まで持っていきます。背中は丸めたままで。
- 2のときは腕は床と平行、頭も腕の方向へまっすぐ伸ばしましょう。
- 息を吸いながら、背中の丸みをキープしたまま、腰を太ももから遠ざけていきます。
- 腰から背骨をひとつひとつマットにつけて、ゆっくり上体を下ろしましょう。このとき、両腕も少しずつ戻し始めてください。
- 頭がマットについたら、両腕を頭の方へ伸ばします。骨盤も床と平行に。
- この動きを5回〜8回繰り返します。
実際にやってみていかがでしたか?
「背骨を持ち上がらない…。」という方が多いのではないでしょうか。
そこで次は、ロールアップができない原因をご説明しますね。
ピラティスの「ロールアップができない!」原因3つ
ロールアップがうまくできな原因は、主にこの3つです。
- 背骨の柔軟性が少ない
- 腹筋力が足りない
- 肩が緊張している
背骨がやわらかくないと、動きがぎこちなくなり上手にエクササイズができません。
そして背骨を持ち上げるときには、腹筋の力が必要になるため、筋力が低いと体を起こすことも困難に。
さらにぎゅっと肩に力を入れてしまうと、余計に腹筋を意識できなくなります。
では次に、「どうやったらロールアップがうまくできるの?」といった悩みにお答えしますね。
ピラティスのロールアップができない時の練習方法3つ
ピラティスのロールアップが「うまくできない」場合の練習方法をご紹介します!
1.肩の力を抜く
先ほどお伝えしたように、肩に力が入ってしまうと腹筋に力が入らなくなります。
とくに動き始めは肝心です。
腕を天井のほうに伸ばし始めるときから、できるだけ肩をリラックスさせましょう。
肩をすくませると、関節を上手に動かせず、肩まわりの筋肉が緊張してしまいます。
エクササイズ中は、肩の力を抜けているかご自身でチェックしてくださいね。
2.呼吸をしっかり意識する
筋肉を正しく使うには、しっかり呼吸することが重要ポイント。
呼吸をとめるとお腹に十分な力が入らず、体を持ち上げることができないからです。
腹筋は息を吐く時に収縮しやすくなるため、口から「ふー」と吐く時に、お腹をパンチするようなイメージで行うと効果的!
3.背骨をひとつひとつ動かす
ロールアップのエクササイズでは、背骨をひとつひとつ動かすことがとても大事です。
勢いだけで体を持ち上げようとすると、背中などを痛めてしまう可能性もあるので、ていねいに動きましょう。
ポイントは背骨を一つ一つマットからはがすように持ち上げること。
戻ってくる時も、はがした骨を順番に腰の方からつけるように行いましょう。
ぜひこの3つのポイントを意識しながら、ロールアップを行ってみてくださいね!
まとめ:ピラティスのロールアップでしなやかな背骨をつくろう
ここまで、ピラティスの「ロールアップ」で得られる効果や、やり方、できない時の対処法をご紹介しました。
腹筋を鍛えられるロールアップは、ぽっこりお腹や腰痛の改善に◎。
また、背骨を一つ一つ動かすエクササイズのため、背骨がガチガチな方にもおすすめです。
すぐに習得するのは難しいとは思いますか、ポイントを押さえて続ければ、だんだん上手にできるようになりますよ。
ご紹介した内容を参考に、ロールアップでたくさん体を動かし、しなやかな背骨をつくりましょう!