腸を刺激することで溜まりがちな、ガスを抜いてくれるヨガのポーズをご紹介します。
便秘でお腹が張ってつらい方
自律神経のバランスを整えたい方
このような方に向けて、ガス抜きのポーズのやり方や効果・注意点について解説してきます。
早速みていきましょう。
目次
ガス抜きのポーズとは
仰向けに寝てひざを抱えるヨガのポーズ「ガス抜きのポーズ」
おなかが張って苦しい方便秘でや肌荒れにお悩みの方はガス抜きのポーズで腸を刺激してみましょう。
日本語:ガス抜きのポーズ、赤ちゃんのポーズ、胎児のポーズ
英語: Wind Relieving Pose
サンスクリット語:Pavana Muktasana、
パヴァナムクターサナ、パヴァナ ムクタ アーサナ
サンスクリット語のパヴァナはガス、ムクタは自由になる・解き放つ、という意味があります。
なぜお腹にガスがたまるのか?
お腹が張っている、ガスが溜まる、というのはどんな状況なのでしょう。このような”お腹の張り”には生活習慣が大きく関わっており、大きく分けて2つの原因があります。
1,食事のときに空気を飲み込む・暴飲暴食
人は普段の食事や喋っているとき、無意気に空気を飲み込みます(ストレスを感じたときに、唾と一緒に空気を飲み込むこともあります)。
食事のときに空気を飲み込んでしまうことが、この腸内ガスの70〜90%を占める一番多いパターンです。
しっかり噛まずに急いで食事をすることは、体内にガスがたまるひとつの原因です。
ビールなどの、炭酸飲料を多く飲むこともガスを溜めることにつながります。
暴飲暴食をした後は腸で異常発酵が起こることもあり、お腹が張っているように感じます。
2,体内でガスが発生する
食事によって摂取した炭水化物、タンパク質、脂質は、腸内のガスを多く発生させてしまうこともあります。
腸内細菌は主に3つに分類されます
- 善玉菌:身体にとって良い働き
- 悪玉菌 :身体にとって悪い働き
- 日和見菌:基本的にどちらでもないが、善玉菌と悪玉菌のどちらか多い方に味方をする
この3つのバランスが整うと、腸内環境は良くなります。
もともと日本の食生活は野菜中心で、腸にとって良い食文化がありました。
しかし欧米の食生活が日本に入ってきてから、脂のたっぷりのったステーキなどの動物性タンパク質や高脂質の食事が増加。
悪玉菌は動物性タンパク質や高脂質をエサとして、腸内で有害物質をつくり出し腐敗を進めます。
その結果ガスを発生させ、便秘や下痢を引き起こします。
3,体内のガスが排出されない
お腹にガスがたまると、腸の働きがさらに悪くなり悪循環を生み出します。
便秘などで腸内に便が停滞している場合、排出されるはずのガスが通ることができず、ガスが溜まることにつながります。
ガスが溜まると腸は大きく膨らみ、腸の活動が弱くなります。
その影響で、またガスが溜まってしまうこともあります。
女性は特にホルモンのバランスや生理、冷え、長時間のデスクワークやストッキングの締め付けなどでも腸が圧迫され、ガスが溜まりやすいといえるでしょう。
運動不足で腹部の筋力低下も、ガスを押し出す力が弱まるため、原因の1つとなります。
ガス抜きのポーズの効果
ガス抜きのポーズを行うことで腸を刺激し、腸の働きを活性化させることができます。
腸の働きを活性化するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
脚のむくみ、冷えの改善
ガス抜きのポーズでは、脚の曲げ伸ばしを行い血流が促進されます。
老廃物が排出されデトックス効果が高まりむくみを解消。
自律神経のバランスが整うことで血流も良くなり、冷えの改善にも効果的です。
むくみと冷えの原因は?
人の身体は筋肉が伸び縮みをすることで血行が良くなりますが、運動不足が続いた場合、筋肉は硬くなり血行が悪くなります。
血行不良は酸素や栄養分を身体の隅々まで運ぶことができずに停滞し、老廃物が蓄積しやすくなります。それがむくみの原因です。
むくみと冷えは大きく関わっており、血行が悪いと身体の冷えにつながり、身体が冷えると血行が悪くなります。
身体の60〜70%の割合を占めるといわれる水分は、血管やリンパ管を通り、全身を循環しています。
身体が冷えている人や冷え性の人は、血流が悪くなっているため、水分の流れも悪くなっています。
その水分がリンパ管や血管から漏れ出し、細胞と細胞の間の水分が異常に増加した状態が、むくみとなります。
1日デスクワークなどで長時間同じ体勢でいることは、むくみを引き起こしやすくなります。
全身の血行が悪くなり、重力の影響で身体の水分が下半身へ下がるからです。
仕事が終わった後に靴がきつく感じたり、脚に靴下の跡がついているのは、むくみによって起こります。
普段の生活からのストレスや、偏った食生活などで自律神経のバランスが乱れた場合も、身体の冷えにつながります。
自律神経が乱れることで血行が悪くなり、全身に熱を送ることができなくなるからです。
腰のストレッチで腰痛の緩和
「ガス抜きのポーズ」では、背面、腰を気持ちよく伸ばすことができます。
筋肉をほぐして血行が良くなることで可動域も広がり、腰痛の緩和にもつながります。
腰痛の原因は?
二足歩行で歩く人間は、重い上半身を支えています。腰は身体の”要”の部分であるため、その影響を受けやすくなってしまうのです。
日常生活で腰痛になる原因は、いくつかあります。重たいものを持つ、安定しない無理な姿勢を長時間続ける、運動不足などが主な原因です。
重たいものを持つ時は、急に力が入ることでぎっくり腰を引き起こすこともあります。体幹や背筋を鍛え、背骨を真っ直ぐに維持することを習慣にすることで、腰への負担を減らすことができます。
柔軟性が低下することによっても腰痛を引き起こすことがあるため、適度にストレッチすることが重要です。
ガス抜きのポーズのやり方
- マットに仰向けの姿勢になります。右脚を手で抱え、30秒〜1分ほど呼吸しましょう。
- 息を吸ってお腹を膨らませ、吐くときにお腹をへこませる、腹式呼吸をし腹部内臓を刺激します。
- 両膝を抱え太ももの前面がお腹につくように意識して、息を吐いたときに、太ももを更にお腹の方に引き寄せます。
- 腹式呼吸で気分が落ち着くまで行いましょう。
- 両膝を抱えたまま、頭を持ち上げます。鼻かおでこを膝につけ、呼吸しましょう。
- 首は真っ直ぐ保ちます。お腹に力が入り、排泄のときに必要な、腹部の筋力を鍛えることができます。
ポーズのポイント
・リラックスした状態で腹式呼吸をすることで腸へ刺激を与え、自律神経を整えることができます。
ポーズの注意点
・首に痛みがある場合は、頭をマットにつけた状態で行いましょう。
まとめ
今回ご紹介した「ガス抜きのポーズ」は、お腹が張りやすいときや便秘のときに試していただきたいポーズ。
腸を刺激して活性化、深い呼吸により自律神経が整えられ、リラックスすることができるでしょう。
下半身を折り曲げることで血行を促進し、下半身のむくみ解消にも効果があります。
ぜひ行ってみてください。