バーベルを頭上に突き上げる肩を鍛える種目である、バックプレス。
プレス系の種目の中でも難易度が非常に高い種目です。
この記事ではバックプレスを安全で効果的に行うポイントをご紹介します。
バックプレスをマスターしてたくましく厚みのある肩を作っていきましょう!
目次
バックプレスとは?
バックプレスとはバーベルを頭の上に持ち上げて、首の後ろ側で上下する肩を鍛える種目です。
似たようなフォームでフロントプレスという種目がありますが、具体的に何が違うのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
バックプレスとフロントプレスとの違いは?
同じくバーベルを頭上に突き上げるフロントプレスという種目があります。
2つの種目の違いはバーベルを頭部の前から頭上に挙げるか、後ろから頭上に挙げるかという違いにあります。
しかし、鍛える事ができる部位は肩の筋肉である三角筋の前部と同じパーツを狙っているのです。
それなら一緒じゃないのか!と感じるかもしれませんが、バーベルを頭部の後ろで扱うために働く筋肉があります。それが三角筋の後部です。
三角筋の後部は『リア』とも言われ、実はカッコいい身体を作る上でとても重要にも関わらず、見逃されがちな筋肉です。
三角筋のリアを鍛えるメリットとは
三角筋の後部(リア)は肩甲骨と上腕骨を繋ぐ筋肉で、後ろから見た時にカラダの1番外側に位置します。
三角筋の後部を鍛えることにより、きれいな逆三角形のボディラインを作ることが可能に。
背中の筋肉を鍛えていても、リアが弱いと見た目のバランスが悪くなるため、バックプレスでリアを鍛えてカッコいい背中を手に入れましょう。
バックプレスの正しいやり方
バックプレスの正しいやり方を解説いたします。
バーベルを使用した正しいフォーム
- バーベルを肩幅の1.2〜1.5倍程度の手幅で握ります。
- 一度フロントプレスの要領で頭上まで突き上げます(この時は脚の力を使っても大丈夫です)
- 肩幅に足を広げ、腹筋に力を入れ、体幹を安定させます
- 横から見てバーベル、肩、腰、足の土踏まずが一直線になる事を意識しましょう
- わずかに顔を前に押し出すようにしてバーベルを頭の後ろ側に下ろします。
- 耳の横までバーベルが下りたら、丁寧に切り返しトップポジションに戻ります。
- ⑤と⑥を繰り返します
効果を出すための重さ、回数、セット数
バックプレスは重い重量を扱う種目ではなく、丁寧に動作を確認しながら行う事を優先したい種目です。
無理な重量を扱うと肩に強いストレスがかかるので、目安としてフロントプレスの半分の重さから始めましょう。
回数は8〜12回、1〜2分の休憩を挟み3セット行います。
バックプレスでバランスが取れない理由
バックプレスをおこなう時にバランスが取れずにカラダがグラグラする原因についてご説明いたします。
バーベルを持ち上げた時にグラついてしまう方は参考にしてみてください。
バーを下ろす時に姿勢が安定しない理由
バックプレスを行う際、頭の後ろにバーを下ろせない。痛みがある。という方がとても多いです。
これは肩関節の柔軟性に問題があるからです。
肩関節を硬くしている原因は、『広背筋』と『小胸筋』です。
広背筋とは
広背筋は背中、骨盤と腕を繋ぐ筋肉で、簡単にいうと脇を締める役割があります。
広背筋が硬いと脇を開けるエクササイズであるバックプレスの動作を制限してしまいます。
小胸筋とは
小胸筋は肋骨と肩甲骨を結ぶ筋肉です。
腕の動きには一見関係が無さそうですが、肩関節の動きは肩甲骨と同調するという特性があり、肩甲骨の動きに制限があると腕の動きにも強く影響します。
小胸筋が硬いと腕を頭の後ろ側で安定させる事が難しくなります。
バックプレスをする前に、広背筋と小胸筋を手やフォームローラーでほぐすようにしましょう。
準備運動で広背筋と小胸筋をストレッチすると不安定な姿勢を改善する可能性が高いので是非試してみて下さい。
それでも不安定な人は回旋腱板の筋力不足の可能性あり
2つの筋肉をしっかりほぐしてもフォームが安定しない人は、回旋腱板の筋力が不足している可能性があります。
回旋腱板とはローテータカフとも呼ばれる上腕骨と肩甲骨を結ぶ4つの筋肉の事で、肩関節の内旋や外旋といった役割があり、バックプレスでは肩関節が外旋した状態で動作が行われます。
外旋は棘下筋、小円筋がその役割を担い、この2つの筋肉の働きが弱いと肩関節を外旋させた状態で安定した動きが難しくなります。
棘下筋、小円筋はエクスターナルローテーションと言う種目で鍛える事ができます。
エクスターナルローテーションは、肩関節の障害予防やリハビリのために用いられることが多い種目です。
バックプレスがうまくできない方はぜひ取り組んでみてください。
バックプレスは立つ?座る?
バックプレスは、座っても立ってもおこなうことができます。
立位、座位それぞれのメリット・デメリットについて説明いたします。
立位のメリット・デメリット
立っておこなうバックプレスのメリットはカラダ全体に負荷をかけ、全身を連動させて力を発揮する能力を養う事ができる事です。
バーを押し上げる際に「全身でバランスをとる」という行為がトレーニングになっているのです。
デメリットは一つの筋肉にはフォーカスしにくくなると言う点です。
全身を使う分、弱い筋肉を強い筋肉がかばいながら働き、ターゲットを絞る事がやや難しくなります。
座位のメリット・デメリット
座っておこなうバックプレスのメリットは、姿勢が安定するため狙った筋肉に負荷を乗せやすくなる事です。
デメリットは全身の筋肉の連動を高めるには向いていないと言う点が挙げられます。
立位と座位、それぞれのメリット、デメリットを把握してご自身にあった方法を選択するようにしましょう。
バックプレスはターゲットを絞りすぎると肩への負荷が強くなりすぎてしまうので、まずは立位で行うのがオススメ
マシンやダンベルを使ったバリエーション
バーベルを使用したバックプレスをご紹介してきましたが、スミスマシンやダンベルを使用してもバックプレスをおこなうことは可能です。
スミスマシンを使う場合
バックプレスは軌道を安定させる事が難しい種目ですが、スミスマシンを使えば初心者でも安定したフォームで取り組む事が可能です。
スミスマシンはバーの軌道が固定されており、頭部の後ろからバーを押し上げる動きに集中する事ができます。
おこなう際は、バーが頭の真上かやや後ろの位置でスタートできる位置に立って行いましょう。
バーの軌道が斜めになっているタイプのスミスマシンを使う際は、後ろ側にバーがスライドするような向きで実施してください。
スミスマシンの注意点は自分でバーを安定させなくても良い分、自分の柔軟性、可動性を超えて動作ができてしまう点です。
バーベルバックプレスではできなかった動き、強度、負荷が自分の身体にかかる危険があります。
スミスマシンを使う際は狙った部位に丁寧に効かせる事を優先し、無理な重量での追い込みは避けるようにしましょう。
ダンベル を使ったショルダープレスとは
フロントプレスは前側、バックプレスは後ろ側にバーを下ろします。
両方の良いとこ取りで真ん中にバーを下ろそうとすると…バーが頭にぶつかりますね。
しかし、ダンベルを使えば真ん中に下ろす事ができます。
これを『ショルダープレス』と言います。
ショルダープレスはバーでのプレスと比べ軌道が自由である事がメリットで、筋肉の効かせたいポイントに軌道を合わせる事ができます。
ただし、その分、軌道をコントロールするテクニックが必要になる種目です。
まとめ
バーベルを使った肩のトレーニング、バックプレスを解説しました。
難易度が高い種目ですが、その分できるようになれば高い効果が期待できます。
カッコいい背中を作りたい方は取り組んでみてはいかがでしょうか!