聖者ヴァシシュタのポーズは、体幹を鍛えられるだけでなく、集中力も養うことができるポーズです。
自分の体と向き合うことで対話するように、集中して身体を強く保ちましょう。
聖者ヴァシシュタのポーズのやり方、ポイントについて詳しく解説していきます。
目次
聖者ヴァシシュタのポーズとは
- 日本語:聖者ヴァシシュタのポーズ
- 英語:side plank pose
- サンスクリット語:Vasisthasana、ヴァシシュターサナ、ヴァシシュタ アーサナ
7人の賢者の中の1人に、聖者ヴァシシュタという賢者がいました。人生に思い悩んでいた、インド神話の英雄であるラーマ神に、教えを説いたといわれる人物です。
ヴァシシュタの教えから、ラーマ神は完璧な人格者として崇められました。
このポーズは、聖者ヴァシシュタに捧げるポーズとして古くから行われていたヨガのポーズです。
聖者ヴァシシュタのポーズは、片方の腕と脚でバランスをとり、左右交互に行うことで身体を整えることができます。
どちらか一方に力が入れば、バランスを崩してしまうように、心身ともに集中して焦点を合わせることが必要です。
聖者ヴァシシュタのポーズ で得られる効果
聖者ヴァシシュタのポーズで得られる効果について詳しくみていきましょう。
体幹、腹筋の強化
体幹とは、首・腕・脚を除いた胴体部分を表し、体幹筋といいます。
この聖者ヴァシシュタのポーズでは、腹筋含めこの体幹全体を鍛えることができます。
体幹が弱い身体は、起き上がることが困難になったり、椅子に座っていても姿勢が崩れる、身体が安定しない、バランスがとりづらくなります。
例えば、電車などで吊革やどこにも掴まらずに立った時、電車が動く時に身体が倒れないよう、バランスをとろうとします。あれは、体幹をつかっています。
体幹は主に、「インナーユニット」と「アウターユニット」の二層に分かれます。
「インナーユニット」は、体幹の深層部分にある、4つの筋肉の総称(横隔膜、多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群)です。主に体幹を安定させる役割があります。
「アウターユニット」は、以下の4つから構成され、主に体幹・手足を動かす筋肉として働いています。
- 広背筋・反対側の大殿筋・胸背筋膜
- 外腹斜筋・内腹斜筋・反対側の内転筋・前腹部筋膜
- 脊柱起立筋・深部の胸背筋膜・仙結節靭帯・大腿二頭筋
- 中殿筋・小殿筋・反対側の内転筋
インナーユニットとアウターユニット共に鍛えることで、体幹をより強化することができます。
体幹を鍛えることで、筋肉の量がアップするため、身体の安定性が増します。
姿勢が良くなり疲れにくくなったり、肩こりや腰痛の改善、基礎代謝が上がるのでダイエット効果も期待できます。
ハムストリングスを柔軟に
普段あまり使われない、ハムストリングスのストレッチ効果があります。
ハムストリングスは太ももの後面の筋肉の総称で、歩いたり走ったりして止まる時の、ブレーキをかける役割をしています。
ハムストリングは固まりやすい場所でもあり、ここが固まると、腰回りの筋肉が引っ張られることによる腰痛や、膝が伸びない、骨盤が歪み姿勢が悪くなるなどの不調を引き起こします。
逆に、骨盤・背中や肋骨・肩が硬くなっている場合、体勢を維持しようとして、ハムストリングスが硬くなります。スポーツ選手などで、この部分が硬い人もいるようです。
このハムストリングスを伸ばして柔軟にすることで血流が促進され、老廃物が流れるため、デトックスの効果や、脚の引き締めの効果があります。
ストレッチで伸ばすことで、骨盤の歪みを整えることもできます。
ふくらはぎの引き締め
ふきらはぎが“第二の心臓”、ということは有名なお話です。ふくらはぎの筋肉は、血液をポンプのように循環させる役割があります。
しかし、仕事終わりに脚がむくんでいる、なんだか靴がきついと感じることはありませんか?
それは、ふくらはぎの筋肉の疲労や、筋力の低下により、血液を循環させるポンプの力が弱まっているという証拠です。
そのためこの循環が滞るとむくみやすくなり、他にも塩分や水分のとりすぎなども、むくみの原因となります。
ふくらはぎを積極的に伸ばすことで、ストレッチされ、シェイプアップに効果的です。
聖者ヴァシシュタのポーズでは、他にもバランス感覚や集中力が養われ、首、二の腕、肩の強化が可能となります。
聖者ヴァシシュタのポーズのやり方
- まずはプランクのポーズからスタートします。両手を肩幅に広げて手は肩の真下につき、膝は浮かせて足のつま先をマットにつけます。頭から足先まで一直線です。
体幹を意識しましょう。 - ①の状態から、横向きになります。右手はマットにつけたまま左手を離し、天井まで伸ばします。
- 脚は、右脚の上に左脚を重ね、右手はマットを押し続けます。
- 左脚を高く天井に上げ、左手で足先をつかみ、足の親指をつかみましょう。脚を真っ直ぐに伸ばして、バランスを保つように安定させて、呼吸します。
- 目線は天井へ、一点集中です。首も安定させましょう。
- 3〜5呼吸したら手と脚を下ろし、プランクに。反対側も同様に行いましょう。
ポーズのポイント
呼吸
力強いポーズをとる時は、呼吸が浅くなりがちです。できるだけ深い呼吸を意識して行いましょう。
バランスキープ
プランクからサイドプランクに移った時、身体が前後に揺れないよう、集中してバランスをキープします。
足が上がらない人はヨガベルトを使用する
・左脚が手で掴めるまで上がらない場合は、ヨガベルトなどを使ってみてください。
難しいポーズをとる際にサポートし、ポーズの練習にも役立ちます。
上にあげる方の足先に引っ掛けて、ベルト部分を持つようにします。
脚を高く上げられない方でも、ベルトを掴むことでポーズがとりやすくまります。
ポーズの注意点
お腹から引き上げるイメージ
聖者ヴァシシュタのポーズは、腰が下がりやすいため、体幹を強く意識して、お腹から引き上げるようにしましょう。
腕だけに負担をかけない
サイドプランクをキープする時、身体を支える手や腕に力が入りやすくなります。
腕だけで身体を支えるのではなく、伸ばしている反対側の手を遠くまで引っ張り、体幹を引き上げましょう。
身体全体を引き上げるようにして、腕だけに負担がかからないように注意が必要です。
手首や腕、首に痛みがある場合は、ポーズを控えましょう。
聖者ヴァシシュタポーズのコツ
聖者ヴァシシュタのポーズは、少し難易度の高いポーズとなっています。
ポーズがつくれない方は準備のポーズとして、いくつかのヨガポーズをご紹介します。
練習を重ねて、聖者ヴァシシュタのポーズに近づけていきましょう。
足の親指を掴んで伸ばすポーズ
片足で立ち、もう片方の脚を同じ側の手で掴むポーズです。(Y字のような形になります。)壁に手をついて行ってもOKです。バランス感覚が養われ、脚を真っ直ぐ伸ばす練習として、オススメです。
山のポーズ
脚を肩幅より広く開いて上体を真横に倒し、両腕を床と垂直に伸ばすポーズです。
半月のポーズ
山のポーズからの延長で行ってみるのも良いでしょう。
前に出している脚の少し前に、脚と同じ側の手をつきます。
後ろの足を床と平行に伸ばし、反対側の手を天井に伸ばすポーズです。
バランス感覚が鍛えられます。
まとめ
聖者ヴァシシュタのポーズは、中級レベルのポーズなため、プランクや、脚を真っ直ぐに伸ばせるように、準備をしてから行うといいでしょう。
体幹が強化されることでポーズもとりやすくなり、自然とバランスを保てるようになります。
決して無理はせず、可能な範囲で行いお腹や脇腹、腕を引き締めていきましょう。