ピラティスは呼吸をしながら行うエクササイズ。
実際、「ピラティスの呼吸のやり方がよくわからない」という方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ピラティスインストラクターの筆者が、ピラティスの呼吸法について、ひとつひとつご説明します。
「ピラティスとヨガの呼吸の違いは?」
「なぜ呼吸が大事なの?メリットは?」
「ピラティスの呼吸って難しい…。コツはある?」
といった疑問にすべてご回答!
今すぐ始められる呼吸法なので、ぜひ行ってみてくださいね。
目次
ピラティスの呼吸とヨガの呼吸の違い
「ピラティスの呼吸とヨガの呼吸ってどんな違いがあるの?」といった質問にお答えします。
ピラティスの呼吸の特徴
ピラティスの呼吸には、以下のような特徴があります。
- 胸式呼吸
- 体幹を安定させる
- 交感神経が優位になる
- リフレッシュしたい時に向いている
- 運動や仕事、勉強など集中力を発揮したいシーンに◎
それぞれのピラティスメゾットによって違いはありますが、基本的には胸式呼吸で行います。
胸式呼吸とは、息を吸う時に肋骨(胸郭)を広げ、息を吐くときには肋骨を狭める呼吸法です。
ピラティスで胸式呼吸が使われる理由は、姿勢を整えるために、体幹を安定させながら動く必要があるから。
この体幹を支えるための筋肉を、最も効率的に使えるのが胸式呼吸なのです。
ヨガの呼吸の特徴
ヨガの呼吸には、以下のような特徴があります。
- 腹式呼吸
- 横隔膜が上下する
- 副交感神経が優位になる
- リラックスしたい時に向いている
- 瞑想やお風呂上がり、寝る前などゆったりしたい場面に◎
ヨガは修行法でもあるので、自分の心と体を一体化させ、精神面を整えることに重きを置きます。
そのため、ヨガをするときは、リラックス効果を得られる腹式呼吸が最適。
胸式呼吸と腹式呼吸には、それぞれメリットがあるので、シーンに応じて使い分けることが大事です。
ピラティスは呼吸が大切な理由
ピラティスで呼吸がとにかく大事理由は、「体幹の筋肉を働かせる」ためです。
ピラティスの呼吸法を行うことで、お腹の一番奥にある「腹横筋」と骨盤の底にある「骨盤底筋」が収縮します。
この2つの筋肉は、骨盤やお腹まわりの臓器を支えるために重要な筋肉。
ピラティスで正しい呼吸ができないと、腹横筋や骨盤底筋がしっかり働かず、上手にエクササイズができません。
効果をより出したいなら、ピラティスの呼吸をマスターすることが大切です。
ピラティスの呼吸を行うメリット3つ
それでは、ピラティスの呼吸を行うメリットご説明します。
1.姿勢が良くなる
ピラティスの呼吸を続けるだけで、姿勢は改善されます。
なぜなら体幹の筋肉が鍛えられると骨盤が安定し、いい姿勢をキープしやすくなるから。
お腹のインナーマッスルが弱くなれば、姿勢や骨盤の歪みを引き起こし、肩こりや腰痛などの不調の原因になります。
体幹を安定させるピラティスの呼吸を使えば、自然とお腹に力が入り背骨が伸びて、きれいな姿勢をキープできるはずです。
2.体の緊張やコリがとれる
ピラティスの呼吸を正しく行うと、肩や肩甲骨まわりなどの緊張やコリがとれます。
肋骨の下部を膨らませることで、酸素を血液の中に送り、余分な筋肉を適度にリラックスさせられるからです。
普段から、肩や首などに力が入りやすい方は、呼吸が浅くなっている可能性が。
ピラティスの呼吸法で、ガチガチの肩や背骨のコリも徐々にほぐれるでしょう。
3.集中力がアップする
交感神経を高めることができるので、勉強や仕事前に行うことで集中力がアップします。
パソコン作業など仕事に没頭しているときは、猫背になりやすく呼吸が浅くなり、集中力が低下することも。
頭をスッキリさせたりしたい場合には、ピラティスの呼吸法がぴったり。
ピラティスの呼吸のやり方
では次に、ピラティスの呼吸のやり方をご紹介します。
呼吸を行う際の姿勢
呼吸を行う際の決まった姿勢はありません。
しかし仰向けの姿勢で行うのが、体を緊張させにくいのでおすすめです。
呼吸をするときの姿勢は、以下のように行ってください。
- 膝を立てて仰向けに寝ます。
- 骨盤を床に対して平行に置き、背骨をまっすぐ伸ばしましょう。
- 脚は腰幅に開き、足裏はぴったりと床につけておきます。
- 肋骨はマットから浮かさず、胸が飛び出さないようにしましょう。
- 両腕は手の平を下向きにして、体の横に伸ばします。
- 両肩はリラックスさせて、肩が上がらないようにしましょう。
ピラティスの呼吸のやり方
- 鼻から息を吸って、口から「ふー」と息を吐きます。
- 唇をとがらせるようにして、ろうそくを吹き消すようなイメージで吐きましょう。
- 鼻から息を吸うときは、肋骨を横に広げるようにします。息を吐く時は肋骨が内側に閉じるように。
- 息を吸っている時も入っている時も、お腹は平らにキープ。
基本的な呼吸はお伝えした通りですが、実はまだまだ細かなポイントがあります。
次にご紹介する呼吸のコツを、ぜひ参考にしてくださいね。
ピラティスの呼吸のコツ3つ
ピラティスの呼吸のコツを3つご説明します。
1.肋骨を動かす
ピラティスの呼吸は胸に空気を入れる胸式呼吸なので、肋骨の動きがとても大事です。
肋骨を広げられないとお腹を膨らまして体幹の筋肉が緩み、肩周りの筋肉を緊張させてしまうこともあります。
アコーディオンをイメージして、肋骨を大きく広げたり内側に閉じていくように行いましょう。
肋骨は横だけではなく、背中の方も広げていき、肋骨が前に飛び出さないように気をつけてくださいね。
さらに、肋骨は下の方を膨らますことで体を緊張させず呼吸できます。
肋骨がしっかり動いているかわからない場合は、肋骨全体を包むように横から手を置くとわかりやすいです。
2.お腹を平らにする
ピラティスの呼吸では、常にお腹を平らにすることが大切です。
なぜならお腹のインナーマッスル「腹横筋」が鍛えられて、骨盤や腰周りを安定させられるから。
お腹をパンチするという感覚ではなく、お腹が全体的に薄く平らになるように行います。
お腹がコルセットにきつく包まれているイメージで、しっかり息を吐いていくのがポイントです。
エクササイズ中はできるだけお腹の状態をチェックし、体幹の筋肉を意識できるようにしましょう。
3.背骨を伸ばす
背骨は、息を吸うときに伸びて、息を吐くときに縮まりやすくなる性質。
この特性を生かして、ピラティスでは背骨を伸ばす・反る動きのときは、息を吸いながら行います。
息を吸うコツは、背骨と背骨の間を広げて、スペースをつくるようなイメージで行うことです。
頭から背骨が引っ張られているような意識で呼吸をしてくださいね。
まとめ:ピラティスの呼吸を実践して体も心もリフレッシュさせよう
ここまで、ピラティスの呼吸のメリットや方法、気をつけるべきポイントなどをご紹介しました。
「姿勢を良くしたい」「体をリフレッシュしたい」方にとっても最適な呼吸法。
呼吸の仕方を変えるだけでも、体は十分変わるはずです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、徐々に心地よく呼吸できるようになるので、安心してくださいね。
体が疲れていると感じた時こそ、ピラティスの呼吸で体も心もリフレッシュさせましょう!