真珠貝のポーズでリラックス!骨盤底筋を鍛える

真珠貝のポーズは背面を伸ばし、腰痛や坐骨神経痛の改善に効果的なヨガのポーズです。

リラックスした腹式呼吸で行うことで副交感神経を優位にさせ、自律神経のバランスを整えます。

・股関節を柔軟にしたい

・リラックスした状態で深い眠りにつきたい

そんな方は真珠貝のポーズをお試しください。

今回の内容は、真珠貝のポーズのやり方や効果について解説していきます。

真珠貝のポーズとは

「真珠貝のポーズ」は「亀のポーズ」とも呼ばれ、亀のポーズの簡易バージョンとして、行われることもあります。

ヨガ初心者でも取り組みやすい“ハタヨガ”ポーズの1つで、肉体的なポーズ(アーサナ)と呼吸(プラーナヤーマ)とを組み合わせて行う、多くのヨガ流派の元になっているヨガです。

「ハ」は吸う息、「タ」は吐く息という意味があります。ポーズをとりながら身体を柔軟に鍛えるとともに、呼吸に意識を向けて、自分の身体や内側を内観することを目的とします。痛みを感じる場合は無理をせずに行いましょう。

ゆっくりとした動きでポーズを深め、柔軟性が高められるため、初心者の方でも始めやすいヨガといえます。

日本語:真珠貝のポーズ、亀のポーズ

英語:Tortoise Pose

サンスクリット語:Kurmasana、クルマーサナ、クルーマ アーサナ、クールマーサナ、クールマ アーサナ

サンスクリット語の”クルーマ”は、“亀”という意味があります。

真珠貝のポーズで得られる効果

 

副交感神経に働きかけ、自律神経のバランスが整う

じっくりとポーズを深め、自分の呼吸に意識を向けることでリラックスでき、副交感神経に働きかけます。自律神経のバランスが整い、精神的ストレスの緩和になります。

浅い呼吸は胸式呼吸になっていて、不安やストレスを引き起こし、身体が緊張した状態になります。

交感神経が働いている状態です。1日の中で交感神経が働きすぎると、自律神経のバランスが乱れ、交感神経と副交感神経のスイッチがうまく切り替えられなくなります。

そうなることで質の浅い睡眠になったり、疲れているのに寝付けない、などの影響があります。

呼吸は息を吸ったときにお腹が膨らみ、吐くときに凹ませる腹式呼吸で、深く長い呼吸を意識して行いましょう。気分も落ち着き、内臓も刺激されるため機能の活性化を促します。

泌尿器系の機能改善(尿漏れ、頻尿、膀胱炎、痔)など

泌尿器は、体内の老廃物などを尿にして排泄するための器官の総称です。腎臓、尿管、膀胱、尿管があります。それぞれのはたらきを見ていきましょう。

腎臓は、身体の左右に2つあります。そら豆のような形をしていて、腰のあたりに存在します。腎臓は、心臓から流れてくる血液から老廃物や塩分をろ過・排出し、尿を生成します。

その尿を、膀胱まで運ぶ道となるのが尿管で、長さは約25〜27cmほどで左右に2本あります。

尿管から運ばれてきた尿は、一時的に膀胱へ溜められます。膀胱は骨盤腔内に位置し、袋状になっています。

尿が漏れないよう貯蓄するはたらきと、尿意を感じたときに尿道へ排出をする、2つのはたらきがあります。膀胱内の尿が排出されると、尿道から体外へ排泄されます。

このような流れで排泄に至りますが、頻尿・尿漏れ・尿失禁・膀胱炎などは、女性に多い症状です。

その中でも膀胱炎は、私たちの身近にある病気の一つです。

女性は男性に比べて尿道が短く、肛門に近い位置にあるのが特徴です。そのため大腸菌などの細菌が侵入しやすく、膀胱で炎症を起こしてしまうのです。

疲れやストレスの影響で免疫力が低下している時、また長時間トイレを我慢することによっても引き起こされます。

膀胱では一時的に尿を貯蓄することが可能ですが、一定の量を超え、多くなるにつれ機能が低下します。

生理用品を、長時間交換しないことも原因となる場合があるため、注意が必要です。

尿もれや膀胱炎は、膀胱の機能の低下や加齢、また出産や妊娠の影響で発症されることが多いといわれます。

骨盤の下にある骨盤底筋は、インナーユニットの一つです。骨盤底筋は骨盤の下から、骨盤内の臓器を支えています。この筋力が弱まることで内臓を支えられなくなり、尿道がぐらつき、尿道や膣・肛門を締める力が低下します。これが尿もれの原因です。

人の体幹を支えている横隔膜、多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群からなるインナーユニットは、身体の深層にある深層筋とも呼ばれます。

骨盤底筋群は、尿道・膣・肛門を中心として左右に分かれています。尿もれや膀胱炎などの症状の改善には、この骨盤低筋群を鍛えてあげることが重要です。

しかし、骨盤底筋群のみ鍛えることは難しく、インナーユニットは全てつながっているため、インナーユニット全体を鍛えることが必要なのです。

「真珠貝のポーズ」では、骨盤底筋を鍛えることができ、骨盤の歪みも整えられます。

坐骨神経痛の改善

筋肉痛とは違い、しびれを伴う痛みがある神経痛ですが、その大半が坐骨神経痛だといわれています。

坐骨神経痛は、腰からお尻・太もも・ふくらはぎ・スネ・爪の先まで長く伸びている坐骨神経が圧迫されて、痛みが生じます。

痛みが生じる部分はそれぞれ異なりますが、ウイルスなどが侵入して、痛みを伴う場合もあります。

坐骨神経痛の原因は主に2つあり、椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症です。

椎間板ヘルニア

長時間の不安定な体勢や重労働、スポーツが原因で引き起こされます。人の身体の軸となる背骨(脊椎)は、椎骨が連結し、24個の骨で成り立っています。

その骨と骨の間には、”椎間板”という円形状の軟骨があり、クッションのような役割をしながら、背骨をしなやかに動かすことを可能にしています。

この椎間板が、老化や運動などで本来の位置から飛び出し、神経にあたってしまうことで神経が圧迫され、痛みやしびれが生じるのです。

腰部脊柱管狭窄症

中高年に多い症状で、背骨の変形・加齢・労働などによって、背骨を通っている脊柱管という神経の通り道が狭くなり、痛みやしびれを引き起こします。

背骨はなだらかなS字の状態で安定と、しなやかな動きを可能にしています。

しかしこの背骨が曲がっている場合、姿勢が悪い・猫背・加齢による変形などで腰への負担が大きくなると、椎間板が変形して脊柱管が狭くなり、発症します。

坐骨神経痛は、その他喫煙や運動不足でも、筋肉が凝り固まって血行不良を起こし、別の部位に負担がかかるため発症する原因になります。

腰回り・背中・股関節のストレッチ効果があるこのポーズでは、固まりがちな筋肉がほぐされ、下半身の血流が促進されます。

坐骨神経痛の軽減になるほか、血流が良くなることでリンパの流れも促され、老廃物を排出してむくみ解消の効果もあります。

他にも消化機能アップ、代謝アップ、疲労回復、リフレッシュ効果があります。産後ヨガとしてもオススメです。

真珠貝のポーズのやり方

  1. まずは合蹠のポーズからはじめましょう。足の裏と裏を合わせたら、恥骨から離して少し前の方につき、両足でひし形をつくるようにします。
  2. 両手をふくらはぎの下に通し、手のひらで足の甲を包み込みましょう。
  3. 息を吸いながら背筋を伸ばし、吐きながら前に前屈していきます。深い呼吸を意識しましょ
  4. 頭と上体の重さから開放され、背中を丸めて呼吸します。

ポーズのポイント

・背中、腰、太もも、股関節の各部分の伸びを感じましょう。

・リラックスして行うことで、自律神経のバランスが整います。

ポーズの注意点

・股関節に痛みがある場合は、無理のない程度で行ってください。心地良いと感じるところまで前屈しましょう。

まとめ

その名前の通り、小さく丸まった亀、または真珠の貝のように見えるこちらのポーズ。背面を伸ばし、腰痛や坐骨神経痛の改善に効果的なポーズです。

リラックスした腹式呼吸で行うことで副交感神経を優位にさせ、自律神経のバランスを整えます。

股関節を柔軟にして骨盤の歪みを整え、出産後に見られる尿もれや頻尿などの骨盤底筋にはたらきかけます。

ぜひ行ってみてください。