ヨガの基本となる「山のポーズ」。
山のポーズは直立するだけの簡単なポーズですが、自分のカラダの歪みやくせについて向き合える、実はとても奥が深く重要なヨガのポーズです。
そこで今回は、ヨガの基本である「山のポーズ」の正しいやり方やコツ、NGなやり方までしっかり解説します。
基礎をしっかりと覚えて、その先の応用のヨガにポーズにつなげていきましょう。
目次
山のポーズとは?
山のポーズは、英語で「Mountain Pose」、サンスクリット語で「タダーサナ」もしくは「サマスティティ」といい、サンクリット語の各単語の意味は以下の通りです。
- ターダ=山
- アーサナ=ポーズ
- サマ=直立
- スティティ=不動の
つまり、山のように直立不動の姿勢で立つことを現わしています。
山のポーズとは、立位の基本的なポーズで、ほとんどの立位ポーズがこのポーズで始まり、そして終わります。
つまり、このポーズが正しくできなければ、全ての立位ポーズが乱れてしまうというくらい、正しく山のポーズをとることは重要です。
山のポーズで得られる効果やメリット
ヨガにとって、とても重要な山のポーズにはどんなメリットや効果があるのでしょうか。
猫背や反り腰などの姿勢改善
山のポーズは、体をまっすぐ前後左右の傾きに気を付けてとるポーズです。
猫背や反り腰などの姿勢改善、またはそれに伴う肩こり・頭痛などの体調改善にも効果が期待できます。
また、坐骨神経痛にも効果があるポーズのため、無理なく取り入れると良いでしょう。
様々なヨガのポーズが実践しやすくなる
冒頭でも申し上げたとおり、山のポーズはヨガの基本となるポーズです。
土台となる山のポーズをマスターすることで、より多くのポーズに挑戦しやすくなるでしょう。
お腹周りや太もものシェイプアップ効果
ただ立ってるだけと思いきや、意外に様々な筋肉を使うこの山のポーズには、多くの引き締め効果があります。
バランスを保つことにより、腹筋や太ももの筋力強化に期待できます。
集中力UP
山のポーズは、安定させることで疲れた心や体をリセットし、全身に意識を巡らせることができるため、ヨガレッスンの最初などに時間をかけて組み込まれる事が多いでしょう。
山のポーズをとることによって、自分自身に意識を向けることで、集中力UPが期待できます。
山のポーズの正しいやり方や注意点
山のポーズの正しいやり方、ポイントやコツ、注意してほしい点などを説明します。
うまくバランスがとれない方や姿勢が悪くなってしまう方などは、ぜひ参考にしてみてください。
山のポーズの正しいやり方
- アゴを引き、肩の力を抜いてマットに立つ
- 足の指を軽く広げて、人差し指をまっすぐ正面に向ける意識で両足をそろえて、柔らかく床の上に置く
- 肛門の筋肉を軽く締め、太腿の内側の筋肉を中心に引き寄せるように締める
- 尾骨を床に向かって伸ばし、恥骨をへその方へと引き上げる(お腹をへこませる)。
- 左右の骨盤の高さを水平にして正面に向ける
- 肩甲骨を下げて、肩を耳から遠ざけてリラックスさせ、胸骨をまっすぐ天井のほうへ引き上げ
- 耳・肩・かかとの位置がまっすぐになっているか確認して、その姿勢をキープ
- 鼻からゆっくりと息を吸い込み、息を吐くときは背筋を曲げないように、ゆっくりと吐く(深い呼吸が背筋の真ん中を通るイメージで)
立つ時は、足裏の親指の付け根、小指の付け根、かかとの内側、かかとの外側に重心をのせて、土踏まずを上に引っ張るイメージで直立しましょう
山のポーズをおこなう時のポイント
- 横からみて、耳、肩、かかとの位置が一直線になるように
- 足裏の親指の付け根、小指の付け根、かかとの内側、かかとの外側の4点に均等に重心をのせ、土踏まずは引き上げ、アーチ状を意識しましょう。
- へそを背骨に近づけるようなイメージで下腹部に力を入れて背筋を伸ばす
- バランスがとりにくく不安定になってしまう方は、足幅を腰幅程度に広げてポーズをとりましょう。少しバランスがとりやすくなります。
- 猫背気味の方は、手の平を前に向けて立つと肩甲骨が引き寄せられ背中が伸びやすいでしょう。
NGなやり方
横から見たときに反り腰・猫背になってしまっていると、腰痛や肩こり、首の痛みの原因となってしまいます。
また、それぞれの部位に力を入れるポーズだからといって、過剰に力を入れ過ぎてしまうと呼吸が乱れ、肩に力が入ってしまい、マイナスとなってしまいます。
あくまでもリラックスをして、程良く各パーツを意識する程度に留めましょう。
“Off The Mat”普段の生活でも正しい姿勢を意識しよう
ヨガには「Off The Mat」という言葉があります。
これは「Take yoga off the mat」の略で、ヨガマットの上以外の日常でも、ヨガをしようという意味です。
反り腰や猫背はヨガの練習を少しするだけでは解決されません。
マットの上でポーズをとることだけがヨガではなく、日常生活の中でもヨガで学んだ呼吸法や美しい姿勢を意識することで、心身ともに健やかに過ごせるでしょう。
山のポーズで反り腰や猫背になってしまう方は、前項で説明した姿勢をよくするポイントなどを参考に、普段の生活に活かしてみてください。
もう1種類の山のポーズが存在する
山のポーズは立位のタダーサナだけでなく、山の形をしたポーズ「パルバタアーサナ」を山のポーズとしてレッスンに取り入れているところがあります。
パルバタアーサナは、下向きの犬のポーズ(ダンドッグ)とよく似た形をしていて、全身の筋肉を伸ばして背骨を元気にしてくれます。
ダウンドッグは胸を落として開くアーサナに対し、パルバタアーサナは腰を反らさずに背骨を真っ直ぐにして行うアーサナです。
まとめ
ヨガの基本となる山のポーズはただ立つだけではないため奥が深いですよね。
山のポーズはマットの上だけでなく、日常の中でも意識的におこないましょう。
常に正しい姿勢を意識するようにすれば、身体の歪みも改善し、より効果が得られることでしょう。