ローファット(Low fat)とは直訳すると「低脂肪」の意味です。
食事における脂質量を減らせば、炭水化物を一定量食べても問題ないため、比較的食事によるストレスが少ない減量方法です。
目次
ローファットダイエットとは?
ローファットダイエットとは、タンパク質をしっかり摂取し、脂質の割合を減らすダイエット方法です。
ローファットとケトジェニックの違い
ローファットとケトジェニックの違いは、制限すべき栄養素が異なります。
ローファットダイエットは脂質の摂取量を減らし、ケトジェニックダイエットは糖質を減らす減量方法です。
ローファットとケトジェニックの減量方法で共通していることは、タンパク質をしっかりとること。
日本人は、毎日の食事でタンパク質が不足しがちなため、意識してタンパク質を摂取する必要があります。
ローファットダイエットで減量する基本ルール3つ
ローファットダイエットで減量するにはどのような食事ルールを目安にするべきでしょうか。
具体的にみてみましょう。
あなたが減量する場合に必要なカロリーの計算方法
ローファット食を取り入れて減量する場合、まずは個人に合わせた1日に必要なカロリーの計算が必要です。
体重を減らすだけなら食事からのカロリーを極端にカットすれば良いのですが、筋肉が落ちて代謝が落ちると、リバウンドのリスクが高まるため、基礎代謝量を下回るカロリー制限はお勧めできません。
体に負担をかけず減量するのであれば、カロリーを適度にとって筋肉量を減らさないようにしながら、体脂肪を減らすことがリバウンドをしない健康的な減量方法と言えるでしょう。
例)
体重70kg、体脂肪率20%の場合
70kg×0.2=14kg→70kg−14kg=56kg
除脂肪体重は56kgとなります。その場合
56kg×40kcal=2240kcal
体重70kg、体脂肪率20%の人が1日に必要な摂取カロリーの目安は2240kcalです。
1日の活動量によって異なりますのであくまでも目安として参考にしましょう。
除脂肪体重と必要なカロリーの計算方
PFCバランスは3:1:6
PFCバランスとは、食事の、タンパク質(Protein)脂質(Fat)炭水化物 (Carbohydrate)のバランスの割合のこと。
厚生労働省が定める「エネルギー産生栄養バランス」として、生活習慣の予防、改善の指標となる三大栄養素の目標を以下の通り提示しています。
- タンパク質:13〜20%
- 脂質:20〜30%(飽和脂肪酸は7%以下とする)
- 炭水化物:50〜65%
参照:厚生労働省「エネルギー産生栄養バランス」
ただし、この数値は、あくまでも生活習慣予防のための健康的に過ごすための食事のバランス指標です。
そのため、ローファット食で減量するにはこの数値を変更させ、ローファット向きのPFCバランスにする必要があります。
ローファットな食事で減量する場合、理想のPFCバランスは3:1:6
- タンパク質:25〜30%
- 脂質:10〜20%
- 炭水化物:脂質とタンパク質を引いた割合
ルール1:脂質は摂取カロリーの10〜20%
ローファットダイエットで減量する場合、1日の脂質は摂取カロリーの10〜20%を摂取しましょう。
脂質を全く摂取しないのは体に負担がかかります。
三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)は生きていくのに必要な栄養素のため脂質もカロリーに占める割合を守り、一定量の摂取が必要です。
例えば、1日の摂取カロリーが2000kcalの場合、2000kcalの10〜20%の相当する脂質量、200〜400kcalとなります。
脂質は1gあたり、9kcalなので22.2g〜44.4gがローファットダイエットにおける脂質の目安量となります。
ルール2:タンパク質は体重×1.5〜2g摂取する
タンパク質は体重1.5~×2g摂取することを心がけましょう。
大切な栄養素のため、低脂肪、高タンパク食品の選択が必要です。
ルール3:炭水化物はカロリーの60%以内に
ローファット食による減量に相手炭水化物はカロリーの60%以内にする必要があります。
ケトジェニックダイエットや糖質制限ダイエットのように、1日の糖質量が何グラムまでと決まっていないため、取りすぎないように注意が必要です。
ローファットとローカボはどちらがやせる?
ローファット(低脂肪)とローカーボ(低糖質)はどちらが痩せるのかは、その人の体質にもよるのですが、
- 結果が早く出やすいのはローカーボ食。
- 継続しやすいのはローファット食です。
糖質制限は主食(ご飯、パン、麺)が食べられないので、かなりストレスがたまり通常の食事に戻すとリバウンドしてしまいます。
長期的な目線で見ると、ローファット食の方が、減量後も体重が戻りにくいと言えます。
ローファットダイエットにおすすめな食材
ローファット食で減量する場合の高タンパク、低脂肪な食材を摂取する必要があります。
可食部100gあたりの含有量を比較してみましょう。
肉類
部位 | P(タンパク質) | F(脂質) | |
---|---|---|---|
鶏肉 | とりむね肉(皮なし) | 24.4g | 1.9g |
ささみ | 23.0g | 0.8g | |
鶏レバー | 18.9g | 3.1g | |
砂肝 | 18.3g | 1.8g | |
鶏軟骨 | 12.5g | 0.4g | |
豚肉 | 豚もも肉 | 22.1g | 3.6g |
豚かた(赤身) | 20.9g | 3.8g | |
豚ヒレ肉 | 20.9g | 22.2g | |
牛肉(輸入牛肉) | 牛ヒレ肉 | 20.5g | 4.8g |
牛もも肉 | 21.2g | 4.3g | |
牛かた(赤身) | 20.4g | 4.6g | |
牛ヒレ | 20.5g | 4.8g | |
牛ランプ(赤身) | 21.6g | 3.0g | |
リブロース(赤身) | 21.7g | 9.1g | |
馬肉 | 馬肉赤身 | 20.1g | 2.5g |
羊肉 | ラムもも | 20.0g | 12.0g |
魚介類 | ミナミマグロの赤身 | 21.6g | 0.1g |
カジキ | 19.2g | 7.6g | |
カツオ | 25.8g | 0.5g | |
イカ | 17.9g | 0.8g | |
タコ | 16.4g | 0.7g | |
えび(バナメイ) | 19.6g | 0.6g | |
練り物 | ちくわ | 12.2g | 2.0g |
カニカマ | 12.1g | 0.5g | |
かまぼこ | 12.1g | 0.5g |
ローファットダイエット中に避けたい食材
脂質が多く含まれている食材はローファットダイエット中はできるだけ避けるようにしましょう。
脂身の多い肉
- 豚バラ肉
- カルビ、ロース
- 加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージ)
乳製品
- チーズ
- バター
- 生クリーム
脂質の多い調味料
- 油全般
- バター
- マヨネーズ
- ノンオイルではないドレッシング
洋菓子
- ケーキ
- クッキー、マフィンなどの焼き菓子
参照:文部科学省日本食品標準成分表
ローファットダイエットのメリット・デメリット
ローファットダイエットのメリットとデメリットについてみていきましょう。
ローファットのメリット
炭水化物が食べられる
ダイエットといえば、炭水化物(米、麺、パン)を制限するダイエットが多い中、ローファット食を取り入れた減量方法は、炭水化物が食べられるのが最大の特徴です。
ローファット ダイエットは、炭水化物がどうしてもやめられない人に向いている減量方法です。
長期間継続できて、体への負担が少ない
三大栄養素をバランスよく摂取し、炭水化物を適量食べられることにより、ローファット食による減量は、ダイエットの中でも体への負担が少ないです。
ローファットダイエットは、炭水化物抜きによるストレスがないため、心理的な負担も少なく減量が継続しやすいダイエットです。
食費が安く済むダイエット
炭水化物が食べられるダイエットのため、ケトジェニックダイエットや糖質制限ダイエットに比べると食費が安く抑えられます。
ダイエット開始後は、プロテイン、サプリメント、筋トレ用品、フィットネスウェアを購入するかと思います。
ダイエット関連商品に初期投資したあとは、日々の食事は出来れば予算を抑えたいのが本音。
ローファット食はお米を食べてもOKなので、ケトジェニックダイエットのように、毎日ステーキや焼肉を食べる必要はありません。
筋肉量を減らさずに減量できる
炭水化物が摂取できるダイエットのため、糖質不足による筋分解が起きにく炒め、筋肉量を減らさずに減量できます。
体は食べ物から得た糖質をエネルギーにして動きますが、体内の糖が枯渇した時、筋肉を分解してエネルギーに変えようとします。
体重が落ちたとしても、筋肉量が減ってしまうと、基礎代謝が落ちてしまうので、結果として太りやすくなってしまいます。
ジムで厳しい筋トレを行っても、エネルギーが足りずに筋肉が分解されてはせっかくの運動も水の泡。
目指すべきゴールは筋肉量を増やして基礎代謝を上げ、食べても太りにくい体を作ることなので、
ローファットダイエットは最適の減量方法と言えます。
ローファットのデメリット
空腹感を強く感じる
ローファットダイエットの最大のデメリットは空腹感を強く感じることです。
他のダイエットにくらべて炭水化物を摂取するため、血糖値の上下が起きやすく、空腹感を感じやすくなります。
糖質制限にくらべて効果が出るのに時間がかかる
即効性のあるダイエットは、ローカーボやケトジェニックダイエットのような糖質制限食になります。
ローファットダイエットは筋肉量を維持、もしくは肥大し基礎代謝量を上げて食事で得たカロリーを消費しやすい体を作るための減量方法です。
筋肉を大きくするには時間がかかりますので、即効性がないダイエットという視点から見ると、ローファットダイエットのデメリットと言えるでしょう。
ローファット食と筋トレの相性がいい理由
ローファット食と筋トレの相性が良い理由はずばり、筋肉を大きくするには糖質が必要だからです。
筋肉を大きくするにはプロテインを飲めば良いと思いますよね。
もちろん、プロテイン(タンパク質)は筋肉を発達させる大切な材料ですが、タンパク質だけ対象に摂取しても効果的に筋肉を合成することが出来ません。
糖質は筋肉中のタンパク質合成を活発にし、筋肥大の効果があるのと、筋トレ中二必要なエネルギー源となることから、糖質が摂取できるローファット食は筋トレとの相性が良い減量方法と言えます。
筋トレ中のパワーが持続する
トレーニング前に糖質を含んだ食事を摂取すると、筋トレに必要なエネルギー源となる筋グリコーゲンの量を高めておくことが出来ます。
筋グリコーゲンが満足にある状態だと、筋肥大させるためのエネルギーが潤沢にあり、高負荷のトレーニングでも追い込めるため、パワーの持続を実感できます。
筋肉量が落ちないのでリバウンドしにくい
トレーニングにより筋肉量を維持、もしくは増強した場合、基礎代謝量が上がるため、減量後にリバウンドしにくくなります。
まとめ
短期的に見ると、ローカーボダイエットやケトジェニックダイエットの方が減量の即効性があります。
しかし、通常の食事に戻すとリバウンドする確率が高いのがデメリット。
ローファットダイエットは食事における脂質の割合を減らして、タンパク質も炭水化物も摂取する、ストレスの少ない健康的な食事方法です。
ローファット食を一時的なダイエットととらえず、食生活の変化として長期間取り組むことで体質改善や引き締まった体を手に入れる手助けとなることは間違い無いでしょう。