ハックリフトによる筋トレ方法と効果|デッドリフトとの違いについて

バーベルを体の後ろで持ち上げるデッドリフトである『ハックリフト』

下半身を効果的に鍛えられるトレーニングとして知られています。

今回はデッドリフトの中でもバランスを取るのが難しいと言われているハックリフトについ
てご紹介します。

ハックリフトとは?

バーベルを体の後ろに持ち、スクワット運動をするトレーニングのことをハックリフトといいます。

ハックリフトはデッドリフトのバリエーションの一つとはなっていますが、別名では
『ハックスクワット』と呼ばれることもあるようです。

ハックリフトは難易度も高いトレーニングですが、その分通常のスクワット以上の効果を期待出
来るトレーニングです。

具体的にどの筋肉を鍛えることが出来るのか見ていきましょう。

ハックリフトとデッドリフトの違い

デッドリフトのバリエーションのひとつであるハックリフトですが、通常のデッドリフトとは異なる効果があります。

デッドリフトの場合、持ち上げる際に背中や腕の筋肉も使用するため、鍛えられる部位はハック
リフトに比べ分散します。

太ももに集中したトレーニングがハックリフトだとするならば、デッドリフトは背筋、前腕筋
も含めた全身運動です。

バーベルを前に持つか、後ろに持つかという差で、これほどまでに鍛えられる筋肉も異なってき
ます。

ハックリフトは太ももを集中的に鍛えるトレーニングとしての質が高く、デッドリフ
トは全身を効率良く鍛えることができるため、目的に応じて使い分けるようにしましょう。

ハックリフトで鍛えられる筋肉

ハックリフトで鍛えられる筋肉はスクワット同様に大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスです。

中でも大腿四頭筋をメインに鍛えることができるトレーニングとなっていて、大臀筋、ハムスト
リングスはサブとしての効果ともなっています。

それぞれの筋肉について説明していきます。

大腿四頭筋

大腿四頭筋
大腿四頭筋

大腿四頭筋だいたいしとうきんは全身の筋肉の中でも最も大きくて強い筋肉。

『四頭筋』と名称されている通り、4箇所の筋肉を総称して大腿四頭筋と呼び、それぞれ大腿直
筋、内側広筋、中間広筋、外側広筋という4つの筋肉によって構成されています。

そんな大腿四頭筋は、主に体重とひざ関節を支える大事な部分。

大腿四頭筋の一部である『内側広筋』が膝の内側を支えていますが、内側広筋が弱ってしまうと
膝にある半月板や側副靭帯に負担がかかるようになるため、膝の内側を痛めやすいです。

よって、大腿四頭筋を鍛えるということは『膝痛』を改善させ、基礎代謝の向上や、血流がスム
ーズになり体調が良くなる効果があります。

日々鍛えることで、ひざ関節の負担をグッと楽にさせてくれます。

ハムストリングス

ハムストリング
ハムストリング

ハムストリングスは3つの筋肉を総称した呼び名です。

それぞれ大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋によって構成されます。

ハムストリングスは元の意味を『もも肉のひも』とも呼び、ひざ関節の屈曲や股関節の伸展に関
する役割を担っています。

大腿四頭筋が主にもも前面の筋肉なのに対して、ハムストリングスはもも後面の筋肉。

走っている状態からブレーキをかけたりするのもハムストリングスの役割です。

さらにはお尻の筋肉である大臀筋のサポートもしているので、ハムストリングスを鍛えることにより大臀筋にまで刺激が伝わりヒップアップ効果につながります。

そして、大腿四頭筋同様に基礎代謝の向上、そして下半身全体の安定力が上がり筋トレのパフォーマンスが高まるため、意識的に鍛えたい部分です。

大臀筋

大臀筋
大臀筋

大臀筋とは分かりやすく言うと、お尻のメインとなる筋肉です。

大臀筋を使用する動作で代表的なのは「歩く」「走る」「立ち上がる」といった足を使う日常動作
のほぼ全てです。

さらに、大臀筋は胴体をまっすぐに支えてくれる役割があり、大臀筋が弱ってしまうと、おしりのトップの高さが落ちてきたり、腰に負担がかかって痛みの原因になります。

日常生活でも鍛えることができるため、エスカレーターではなく階段を使用するなどといった工夫を取り入れてみましょう。

ハックリフトをおこなうメリット

先ほど、ハックリフトをおこなうことで鍛えられる筋肉について説明いたしました。

中でももも周りに付いている大腿四頭筋を鍛えることで、太もも周りを太くたくましくする効果が期待できます。

見た目の変化だけでなく、下半身の中でも大きな筋肉を鍛えることで効率よく筋肉量を増やすことができるため太りにくい体質へと変化します。

基礎代謝量を上げて、たくさん食べてもエネルギーとして燃焼しやすくするためには筋肉量を増やすことが必要なため、ハックリフトをおこない効率的に筋肥大を目指しましょう。

ハックリフトのやり方

ここからはハックリフトのやり方について説明していきます。

トレーニングを始める前は軽めのストレッチをおこない、インターバル中はこまめに水分補給をするようにもしましょう。

バーベルを使用したハックリフトのやり方

  1. バーベルを背にして、床に置いたバーベルの前に立つ
  2. 肩幅よりやや広めに足を構える
  3. 手の甲を前にした状態でバーベルを握る
  4. 腰の位置までバーベルを持ち上げる(立ち上がる)
  5. 膝が 90 度になるまで上体を下げる
  6. 再び腰の位置までバーベルを持ち上げる

10 回 1 セット×3 回を目安に調節して行うといいでしょう。

ハックリフト手順(マシンを使用する場合)

  1. 自身に合わせた重量に調整する
  2. 背中が完全につくようにマシンにもたれ掛かる
  3. しゃがんだ際にお尻が台から離れない位置に、脚の位置を調整する
  4. 膝が 90 度になるまで上体を下げる
  5. 立ち上がる際に完全に膝が伸びきらないように立ち上がる

バーベル同様、10 回 1 セットを3 回おこなうことを目安に。

初心者の場合、重量設定は軽くしましょう。

ハックリフトは大腿四頭筋にほとんどの負荷が集中してしまうので、スクワットの半分程度の重
量でも効果があります。

ハックリフトの注意点

ハックリフトをおこなう際に注意すべき点について説明していきます。

バーベルを体の後ろに持つ種目のため、基本動作が難しいので自分が注意点に当てはまっていないか確認しケガのリスクを減らしていきましょう。

バーベルを使用した場合の注意点

バーベルを使用したハックリフトはバランスを取るのが非常に難しいトレーニングになります。

正しいフォームを意識した上で、バランスの取りやすい重量を目安にするよう心がけましょう。

また、トレーニングの際に背筋が曲がってしまうと、大腿四頭筋への負荷が分散してしまう原因
にもつながります。

背筋は真直ぐに保ち、顔は常に正面に向けるように意識するといいでしょう。

マシンを使用した場合

マシンを使ったハックリフトの場合は、立ち上がる際にヒザを伸ばしきってしまわないように気をつける必要があります。

ヒザを伸ばしきってしまうことで休憩ポイントが出来てしまい、効率良く鍛える妨げとなってしまいます。

そしてヒザを痛める原因につながるため立ち上がりの反動でひざを伸ばしきらないように注意しましょう。

また、バーベルハックリフト同様に、顔は正面を向けるように意識しましょう。

顔が下を向いてしまうことで背中が丸まり、椎間板にも負担がかかりヘルニアになる可能性にも
つながります。

 

まとめ

ハックリフトは難易度も高く、専用マシンがない限りバーベルハックリフトとして利用している
方は少ないイメージではあります。

しかし、ハックリフトはスクワット以上に大腿四頭筋を効率よく鍛えられる太もも特化型のトレ
ーニングです。

正しいフォームをマスターしてより効果的なトレーニングとして取り入れる価値は十分にあり
ます。

ぜひ自分の限界を超えたい方はチャレンジしてみてください。