チンニングとは日本語で「懸垂(けんすい)」という意味です。
自分の体の重さを利用する自重トレーニングの一つと腕と背中を鍛える種目として人気があります。
今回は、チンニングで鍛えられる部位やチンニングの種類、正しいフォームと注意点についてご説明します。
チニングを毎日おこなう時の注意点やメリット・デメリットも合わせてご紹介しますので、早速見ていきましょう。
目次
チンニングで鍛えられる筋肉の部位
チンニングで鍛えられる筋肉は「広背筋」と「上腕二頭筋」です。
この2つの筋肉について、ご説明していきます。
筋肉面積の大きい広背筋を鍛えられる
広背筋は背中から腰にかけて広く分布している面積の広い筋肉です。
広背筋を鍛えていくことで美しいシルエットの体を作っていくことができます。
広背筋は、チンニングの効果が一番よく分かる筋肉です。
上腕二頭筋が鍛えられ腕を太くする
上腕二頭筋は腕の筋肉の中でも鍛えていくことで見栄えが良くなる筋肉として有名です。
力こぶしを作った時に綺麗な筋肉の隆起をみることができるのも、上腕二頭筋の特徴になります。
かっこいい上腕二頭筋をボディメイクしていくことはトレーニングをしている人たちの目標です。
自重トレーニングであるチンニングで上腕二頭筋を無理なく鍛えていくことができます。
チンニングの種類
チンニングは筋トレ初心者から上級者まで行うことができるトレーニングです。
しかし、チンニングはトレーニング経験や筋肉量によってトレーニング方法を変えていかないと、効率も悪くケガにもつながってしまうので注意が必要です。
ここでは「ぶら下がり」や「アクティブ・ショルダー」、「斜め懸垂」、「ネガティブレップ」といったチンニングの種類についてご紹介していきます。
ぶら下がり
チンニング初心者におすすめなのが「ぶら下がり」です。
鉄棒にぶら下がって足を地面から離し、その姿勢をキープするというトレーニング。
握力と広背筋を使いつつ、無理なく取り組めます。
アクティブ・ショルダー
アクティブ・ショルダーはぶら下がりの形から、腕を伸ばしたまま肩甲骨を押し下げることを意識していくことでできるトレーニングです。
一般的なチンニングとは異なり、バーをアゴの位置までくるように状態を持ち上げる必要はありません。
大事なのは肩甲骨を動かすことです。
斜め懸垂
斜め懸垂とは足を地面につけたまま行うチンニングです。
手は鉄棒をしっかりと掴み、足のかかとを地面につけたまま肘を伸ばします。
体と地面が斜めになるポジションからチンニングを行なっていくトレーニングです。
足を地面につけたままで行うことができるトレーニングですので、体の負担を減らせられます。
ネガティブレップ
いよいよ本格的なチンニングです。
ネガティブレップは、鉄棒の高さに気を付けてください。
高さの低い鉄棒を使用していきましょう。
アゴが鉄棒の上のところにくるまで体を持ち上げるようにしていくトレーニングがネガティブレップです。
チンニングの種類別正しいフォームとやり方
チンニングの種類についてご紹介していきました。
種類別チンニングの正しいフォームとやり方についてご紹介していきます。
ぶら下がりの正しいフォームとやり方
体の力を抜くように意識することがぶら下がりでは重要です。
- 手のひらが正面に向くように鉄棒を握ります。
- 鉄棒を握る手の幅が肩幅と同じになるような位置で鉄棒を握るようにするのがコツです。
- 足を地面から離し、30秒ほどその姿勢を維持しましょう。
アクティブ・ショルダーの正しいフォームとやり方
ぶら下がりの正しいフォームから始まり肩甲骨を寄せる方法をアクティブ・ショルダー
- 腕を伸ばしながらぶら下がります。
- 腕を伸ばすと同時に肩甲骨を押し下げることでアクティブ・ショルダーに。
- 腹筋に力を少しずつ入れながら、両足を前に揃えたまま上げていきます。
- 足を前に出した姿勢を30秒ほどキープしたままでいましょう。
広背筋をじっくり鍛えていくことができます。
斜め懸垂の正しいフォームとやり方
- 手の甲を上にしてしっかりと鉄棒を掴みます。
- 鉄棒を掴んだ手は肩幅より握り拳1つ分ほど広めに間隔を取るようにしてください。
- 足はかかとを地面につけたままにします。
- 肘をしっかりと伸ばし、体と地面が斜めの位置関係になるところからトレーニングを始めていきましょう。
- 地面と体が並行になる程、トレーニング強度が高くなりきつくなるため、まずは45度の角度から始めましょう。
- 肘を脇腹に引きつけるような意識を持ちながら腕を曲げていきましょう。
- これ以上体が上がらないというところまで体を持ち上げたら、ゆっくりと元の位置まで体を戻していきます。
最後にはしっかりと肘が伸び切った形を作るようにしてください。
最初は5回1セットとして3セットずつ行うと負担が強すぎず、初心者にはおすすめです。
ネガティブレップの正しいフォームとやり方
ネガティブレップでは、鉄棒の高さは低いものを使ってトレーニングを行うと良いです。
- 斜め懸垂のときの手の間隔と手のひらの向きで鉄棒を持ちましょう。
- 鉄棒より上にあごを持っていくイメージで腕を曲げていきます。
- ネガティブレップでは、体を上げていくときは早い動作でも大丈夫です。
ですが、体を元の位置に戻していく際には、なるべくゆっくり戻していくことで、トレーニング効率を高めていくことができるでしょう。
最初は3回〜5回くらいを1セットとして、3セット行うことを目標にしていくことをおすすめいたします。
チンニングは毎日おこなうべきか?
背中と腕を早く大きくしたいので、チンニングマシーンを購入し自宅でトレーニングされる方が増えてきました。
しかし、チンニングを毎日おこなう場合は何回行えば良いのでしょうか。
毎日チンニングをおこなうメリットとデメリットも合わせて詳しく解説していきましょう。
回数とセット数の設定方法
チンニングをおこなう際、1回あたり何回おこなうと効果的でしょうか。
先ほどご紹介したチンニングの種類にごとに最適な回数が異なるため以下を参考にしましょう。
ぶら下がり・アクティブ・ショルダー
ぶら下がり・アクティブショルダーは30秒を1セットとしましょう。
斜め懸垂
広背筋・僧帽筋・三角筋・大円筋を鍛える斜め懸垂は5回1セットとしましょう。
ネガティブレップ
ネガティブレップは3〜5回を1セットとしましょう。
広背筋は72時間で筋肉が復活しトレーニング以前よりも大きくなっていきますので、3日に1回を最初は目標にするのがより良いでしょう。
ちなみに、チンニングで鍛えられる上腕二頭筋は、48時間で筋肉が回復しトレーニング以前よりも大きくなっていきます。
毎日チンニングのメリット
毎日チンニングをおこなうメリットは短期間で背中と腕の筋肉が肥大することです。
特に、チンニング初心者は正しいフォームができないことが多く、アゴをバーの位置まで上げることが第一ハードルとなります。
筋トレ効果を得るためには回数が必要なため、毎日チンニングをおこなうことにより回数をこなせるように。
昨日できなかったことが今日できるようになると、トレーニングのモチベーションにつながるため、毎日継続してチンニングをおこなうことにつながります。
背中や腕の筋肉がまだ未発達の人にとって急速に筋肥大を目指せることが毎日チンニングの最大のメリットです。
毎日チンニングのデメリット
筋肉の成長が目に見えて感じられると、ついつい追い込みすぎて肩に痛みを感じることもしばしば。
ある程度筋力がついて毎日チンニングが出来るようになると疲労が蓄積し、逆に筋力の低下を招きます。
疲労が蓄積してパフォーマンスが低下することをオーバーワークといい、
毎日チンニングのデメリットはオーバーワークによる慢性的な筋疲労と言えます。
オーバーワークにならないようセット数や回数に気をつけましょう。
チンニング時のトラブル対処法
チンニングをしているときに注意すべき点がいくつかあります。
ケガや故障の原因にならないように、しっかり注意点を気にしながら安全にトレーニングしていきましょう。
頑張っているのに成果が出ない
筋肉を意識せずにトレーニングを行っても運動効率が悪くなるので、頑張っていても成果が出ない場合があります。
チンニング際をおこなう際は、広背筋や上腕二頭筋を強く頭の中で意識していくことで、狙った筋肉を効率よく動かしていくことができます。
がむしゃらに頑張るのではなく、正しいフォームで筋肉にフォーカスしてトレーニングをおこなうようにしましょう。
手に豆ができて痛いとき
チンニングをしていくと手のひらに豆が出来てしまいます。
豆がつぶれてしまうと非常に痛く、この痛みが原因でチンニングをやめてしまう人が多いのも事実。
豆の痛みを減らすために、「トレーニンググローブ」の使用をオススメします。
チンニングをおこなう時だけでなく、高重量を持ち上げる種目はトレーニンググローブをつければ豆が出来にくくなるので一度お試しください。
すぐ腕が疲れてチンニングを続けられない
チンニングをしても上腕二頭筋がすぐに疲れてしまうという人もいるでしょう。
対策としては、鉄棒を強く握りすぎないことと上腕二頭筋を個別でも鍛えておくことが有効です。
鉄棒を強く握るとどうしても腕の力を使ってしまいます。
上腕二頭筋をダンベルカールなどで個別に鍛えておくことで、チンニングも楽にできるようになっていくでしょう。
それでも腕や肩が痛くなる方は、回数や時間を減らすなど、トレーニングの強度を少し落としていくことで痛みが引くか様子を見てみましょう。
痛みがひどいときはゆっくりと静養することも大事です。
自分のカラダと相談しながら、痛みを自覚して適切な頻度でチンニングをおこないましょう。
すぐ脱臼してしまう
過去に、肩・ヒジ・手首の脱臼経験がある方は、チンニングの際は脱臼の可能性が高まります。
無理に回数を行おうとせず、少なめの回数や短い時間で弱い部分を気をつけながら行う必要があります。
脱臼箇所のインナーマッスルやアウターマッスルを鍛えるトレーニングも混ぜて行うなど、関節を保護する筋肉のトレーニングと合わせて行うことが大切です。
くれぐれも無理にトレーニングをして再脱臼しないように注意しましょう。
まとめ
チンニングの正しいフォームややり方、注意点を中心にご説明してきました。
広背筋や上腕二頭筋に非常に効くトレーニングがチンニングです。
ですが、やり方を誤ってしまうと肘や肩を壊したり、脱臼経験のある方は再脱臼したりする可能性もあります。
怪我にはくれぐれも気をつけてください。
正しいフォームで無理なくゆっくりとチンニングをしていくことで、見栄えの良い広背筋と上腕二頭筋を作っていきましょう。