フロントスクワットの効果やメリット|手首が痛くならない方法について

数あるスクワットの種類の中でも、難易度が高めとなっているフロントスクワット。

バーベルを首の後ろではなく胸の位置に構えるため、思うようにトレーニングができずに困った経験がある方も多いでしょう。

今回はフロントスクワットの効果やメリット、手首が痛くならない方法などについて話していき
ます。

フロントスクワットとは?

フロントスクワットはバーベルを肩の高さに置いて、立ったりしゃがんだりを繰り返すトレーニ
ング方法のことを指します。
正しいフォームで行うことによって、太ももを中心とした下半身を鍛えることができます。

フロントスクワットで鍛えられる筋肉

フロントスクワットで鍛えられる筋肉は3種類あります。

  • 大腿四頭筋だいたいしとうきん
  • ハムストリングス
  • 大臀筋だいでんきん

それぞれ詳しくみていきましょう。

大腿四頭筋

大腿四頭筋だいたいしとうきんは全身の筋肉の中でも最も大きくて強い筋肉。

『四頭筋』と名称されている通り、4箇所の筋肉を総称して大腿四頭筋と呼び、それぞれ大腿直
筋、内側広筋、中間広筋、外側広筋という4つの筋肉によって構成されています。

そんな大腿四頭筋は、主に体重とひざ関節を支える大事な部分。

大腿四頭筋の一部である『内側広筋』が膝の内側を支えていますが、内側広筋が弱ってしまうと
膝にある半月板や側副靭帯に負担がかかるようになるため、膝の内側を痛めやすいです。

よって、大腿四頭筋を鍛えるということは『膝痛』を改善させ、基礎代謝の向上や、血流がスム
ーズになり体調が良くなる効果があります。

日々鍛えることで、ひざ関節の負担をグッと楽にさせてくれます。

ハムストリングス

ハムストリングスは3つの筋肉を総称した呼び名です。

それぞれ大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋によって構成されます。

ハムストリングスは元の意味を『もも肉のひも』とも呼び、ひざ関節の屈曲や股関節の伸展に関
する役割を担っています。

大腿四頭筋が主にもも前面の筋肉なのに対して、ハムストリングスはもも後面の筋肉。

走っている状態からブレーキをかけたりするのもハムストリングスの役割です。

さらにはお尻の筋肉である大臀筋のサポートもしているので、ハムストリングスを鍛えることにより大臀筋にまで刺激が伝わりヒップアップ効果につながります。

そして、大腿四頭筋同様に基礎代謝の向上、そして下半身全体の安定力が上がり筋トレのパフォーマンスが高まるため、意識的に鍛えたい部分です。

大臀筋

大臀筋とは分かりやすく言うと、お尻のメインとなる筋肉です。

大臀筋を使用する動作で代表的なのは「歩く」「走る」「立ち上がる」といった足を使う日常動作
のほぼ全てです。

さらに、大臀筋は胴体をまっすぐに支えてくれる役割があり、大臀筋が弱ってしまうと、おしりのトップの高さが落ちてきたり、腰に負担がかかって痛みの原因になります。

日常生活でも鍛えることができるため、エスカレーターではなく階段を使用するなどといった工夫を取り入れてみましょう。

フロントスクワットの効果について

フロントスクワットはバーベルを体の前に持つため、重心が前方に移動します。

直立の姿勢を維持する際に大腿四頭筋を使うため、通常のスクワット以上に負荷をかけることが
できます。

よって、大腿四頭筋を追い込みたい場合にフロントスクワットは効果的なトレーニングと言える
でしょう。

膝への負担が大きい

フロントスクワットは股関節がバーのほぼ真下に位置します。

バックスクワットにくらべると上体が立ち気味になる分、膝屈伸の度合いが高くなりヒザへ
の負担も大きくなっています。

膝に違和感を覚えた場合、無理なトレーニングは控えるようにしましょう。

フロントスクワットのやり方

フロントスクワットの基本動作を説明します。

通常のスクワットはバーベルを首の後ろ方方の間におきますが、フロントスクワットは鎖骨したにバーベルを構えるためちょっとしたコツが必要です。

それでは詳しくみていきましょう。

  1. バーラックの高さを肩の位置に合わせ、両手、両肩、首で支える
  2. ヒジをまっすぐ手前に曲げて、上腕部と床が平行になるようにする
  3. 足を肩幅に開き、つま先は 30~50 度ほど外側に向けてバーベルをラックから外して一旦直立する
  4. 上体が整ったらしゃがむ動作にうつる
  5. 立ち上がる
ポイント
・バーを鎖骨に乗せるように意識をします。
・両手は添える役割で、主には両肩と首で重さを支えるイメージで。

 

手首が痛い場合…

グリップの際、手首を痛めてしまう原因としては両肩と首だけではなく、手首にも重さを伝えて
しまっていることも挙げられます。
また、ノーマルグリップだと柔軟性も必要になってくるため、不向きな方も多いはず。
そんな時はグリップする指を 2,3 本に減らしてグリップすれば多少肘を高く上げた姿勢がとりや
すくなります。
中にはリストストラップといった、バーにくくりつけて手に巻きつけるアイテムもあります。

②肘をまっすぐ手前に曲げて、上腕部と床が平行になるようにする

肘の高さはバーをラックから外しても、最終レップを終えるまではしっかり保つようにします。
フロントスクワットは上背部への負担も大きく、トレーニング中に緩んでしまいがちです。
すると肘が下がってバーが前方へ転がってしまうので、常に胸を張った姿勢を保つようにしまし
ょう。

 

④上体が整ったらしゃがむ動作

胸と肘は高く上げたまま、大きく息を吸い込んでゆっくりしゃがみます。
しゃがむ際はお尻をまっすぐかかとに向かっておろしましょう。
そして膝はしっかり外側に開くよう意識し、太ももと床が平行になるまで腰を落とします。

⑤立ち上がる動作

立ち上がる際は胸を高く持ち上げるイメージを意識しましょう。
直立の姿勢を保ちながらバーが前方へ転がらないよう、おしりはバーの真下に近い位置を保ちな
がら立ち上がっていきます。

フロントスクワットの注意点について

フロントスクワットは負荷の強い種目のため、間違ったフォームでおこなうと怪我のリスクが高まります。

以下の注意点がご自身に当てはまっていないか確認し修正していきましょう。

肘を下げない

フロントスクワットにおいて最も重要なポイントとなるのが肘の高さです。
肘が下がるとバーが転がり落ちてしまうので、上背部が下がらないよう意識しましょう。

膝を曲げすぎない

膝への負担も大きいトレーニングとなるため、曲げすぎると怪我の原因にもなりかねません。
鏡を見て、太ももと床が平行になる位置をしっかり把握することが重要です。

自分に見合った重量を心がける

ウエイトはいきなり重くするのではなく、徐々に重くするようにします。
後ほど平均重量についても説明させていただきます。

スクワットハーネスを使用する手段もある

どうしてもバーベルを保持することができない場合には、スクワットハーネスを用いることで、
安全かつ効率的にフロントスクワットを行うこともできます。
自分の幅に合わせた調整ができ、肩に担ぐことでバーベルを支えてくれる便利アイテムとなって
います。

平均重量について

スクワットの平均的な重量値は、初級者から上級者で異なってきます。

初級者の場合

トレーニング開始から1ヶ月前後の初級者の場合、体重に 0.8 をかけた数字が目安になります。
体重が 50kg なら 40kg、60kg なら 48kg という計算になります。

中級者の場合

トレーニング開始から半年前後の中級者の場合、体重に 1.2~1.5 をかけた数字が目安になります。
体重が 50kg なら 60~75kg、60kg なら 72~90kg という計算になります。

上級者の場合

トレーニング開始から1年以上の上級者の場合、体重に 1.5~1.8 をかけた数字が目安になります。
体重が 50kg なら 75~90kg、60kg なら 90~108kg という計算になります。

まとめ

比較的難易度の高いトレーニングとして知られているフロントスクワットですが、難易度に見合
っただけの成果も期待出来るトレーニングとなっています。
下背部の負担を少なく大腿四頭筋を集中的に鍛えることができるので、ぜひ正しいフォームをマ
スターしてみてください。