ローファット(低脂質)ダイエットは、タンパク質と炭水化物を摂取し、1日のエネルギーの中の脂質の割合を減らすダイエット方法です。
脂質は体に必要な栄養素なので、全く摂取しないとホルモンバランスが乱れます。
しかし、とりすぎると肥満や高血圧の要因になるため脂質は摂取量がとても重要です。
● ローファットダイエットの脂質はどれくらいとればいいのか?
● 脂質を減らすにはどうしたらいいのか?
本日はこのようなお悩みにお答えします。
結論
ローファットダイエット中の1日の脂質は摂取カロリーの10〜20%以内に!
目次
ローファットダイエットはなぜ痩せる?
ローファットダイエットはなぜ痩せるのか、それは食事のストレスが少なく継続しやすいためです。
糖質制限ダイエットのように炭水化物をを制限するダイエットは短期間で劇的に体重は落ちます。
ただし、食べれないストレスにより目標体重達成後に食事を元に戻してリバウンドすると言うのはよく聞く話。
ローファットダイエットが痩せやすい食事について具体的にご説明します。
ローファットダイエットは食べて痩せるダイエット
ローファットダイエットは脂質の摂取量を減らします。
目標としては脂質が全体のエネルギーの10〜20%以内が理想的。
脂質の摂取量を10%とすると、残りの90%をタンパク質と炭水化物で摂取することができます。
ローファットダイエットのPFCバランスは3:1:6が理想的なのでエネルギーに占める炭水化物量が半分以上。
他のダイエットは炭水化物を摂取しない、もしくは摂取量を極力少なくするダイエットが多いので、ご飯やパンがやめられない人にとってローファットダイエットは最も相性のいいダイエットと言えます。
糖質制限ダイエットにくらべ、ローファットダイエットは結果が出るまでに時間はかかります。
しかし、炭水化物を食べられることによって食事のストレスは少なく、長期間かけてゆっくりと痩せるためリバウンドがしにくいのが最大のメリットです。
極端な食事制限はむしろ太りやすくなる
1週間で5キロ落とすために、食事は1日食だけ。
たとえ食べる量を減らして一時的に体重が落ちたとしても、その食事方法は一生続けられないですよね。
食事から栄養が摂取できずエネルギー不足になると、筋肉や脂肪をエネルギーとして使います。
筋肉が減ると基礎代謝が落ちて結果として太りにくい体に。
一時的に体重が落ちたとしても食事を元に戻せばリバウンドし前よりも痩せにくい体になります。
これは脳が適正体重を記憶していて、一時的に体重が減ることにより適正体重を下回ると危険と認識し体を省エネモードに変更します。
少ないエネルギーでも生命が維持できるような体になってしまうと、食事を元に戻した後が大変。
食事からたくさんのエネルギーが入って来ても体は省エネモードのため、エネルギーが使われないまま体脂肪として蓄積されてしまいます。
このように、一時的に体重が落ちたとしても、食べずに痩せると結果として太りやすい体になってしまうのがお分かりいただけましたでしょうか。
ローファットダイエットのように三食バランスよく食べて少しずつ体重を落としていくことがダイエット成功の秘訣と言えます。
脂質と上手に付き合う方法
脂質はとり過ぎず、減らしすぎないちょうどいいバランスが難しいところ。
脂質と上手に付き合うには、脂質摂取が体に及ぼす影響を理解しておきましょう。
脂質が不足すると体が不調になる
ダイエットにおいて脂質は悪者扱いされてきました。
痩せるには脂質を食べてはいけないと言うイメージがあると思いますが、脂質は私たちの体になくてはならない栄養素。
タンパク質、炭水化物とともに三大栄養素と呼ばれていて、カラダの主要なエネルギー源になります。
脂質は、細胞膜やホルモンなどの材料になる重要な役割があります。
ダイエットで急激に体重が落ちたら月経が止まったと言うお話を聞いたことはありますでしょうか。
脂質不足によるホルモン分泌の乱れが月経に影響するためです。
他にも脂質が不足するとエネルギー不足となり疲れやすさを感じたり、カラダの抵抗力が低下したりする可能性もあります。
脂質を全てカットするとカラダにとても負担がかかるため適量の摂取が望ましいです。
脂質をとりすぎると体に起こること
脂質は適量摂取する必要があるとお話ししましたが、過剰に摂取すると体にどのような影響が出るのでしょうか。
脂肪はとりすぎると血液中の中性脂肪と悪玉コレステロール(LDL−コレステロール)が増加し、善玉コレステロール(HDL−コレステロール)が減少し、肥満や脂質異常症を引き起こします。
肥満の状態が続くと動脈硬化が進み、その結果心臓や脳の疾患を引き起こす原因となるので、健康に過ごすためには脂質のとりすぎを防ぐ必要があります。
脂質を減らす食事の工夫
脂質は適量とることが大切とお話しいたしましたが、食の欧米化にともない私たちの食生活は気付かぬ間に脂質たっぷりの食事に変化しています。
食事の脂質を減らすためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。
具体例を見ていきましょう。
お肉は赤身や皮なしの鶏肉に
揚げ物や炒め物のアブラのように明らかに脂質が多い物は意識して減らすことができますが、意外と見落としがちなのが食材に含まれる脂質量です。
牛肉で言えばカルビ・ロースは脂質が多いのでフィレや肩ロースのような赤身肉を選べば脂質を減らすことができます。
鶏肉の場合、ささみやむね肉は高タンパク・低脂質な食材のためローファットダイエットに最適な食材です。
鶏肉は皮なしの場合脂質を減らすことができるので調理の際はとり皮は取り除くことを覚えておきましょう。
アブラを使わない調理方法で脂質を減らす
揚げ物は食材や衣がアブラを吸収し脂質の摂取量がグッと上がるのでローファットダイエットでは避けたい食べ物。
じゃがいもを例にあげると、フライドポテトではなく、蒸したり肉じゃがのような調理方法にすれば脂質を大幅にカットできます。
お肉はフライパンで炒めるのではなく、あみ焼きにしてアブラを落とせば脂質を減らすことができます。
脂肪の少ない食材を選ぶことが大前提ですが、さらに脂質を減らす工夫として、蒸す・煮る・ゆでる・グリルする調理方法を心がけましょう。
お肉はサッと下茹でをしてからグリルすれば脂質カットできるので一度お試しください。
間食は和菓子がおすすめ
ダイエットは間食はNGと思われがちですが、ローファットダイエットの場合炭水化物を一定量食べることができるので、ローファットな間食なら食べても問題ありません。
シュークリームやケーキのような生クリームやバターを使用した洋菓子は脂質たっぷりですが、和菓子はローファットなためダイエット中でも食べることができます。
もちろん食べ過ぎては意味がなくなってしまうのですが、水ようかんやおはぎ、大福は脂質がとても少ないのでローファットダイエットの食事に飽きてきたときにご褒美として食べてストレス発散しましょう。
1日に必要な脂質量の計算方法
ローファットダイエットにおいて1日に必要な脂質量はどのように計算すればいいのでしょうか。
本記事の冒頭で、ローファットダイエット中の1日の脂質は摂取カロリーの10〜20%以内とお伝えしましたが、まずはご自身の摂取カロリーを計算する必要があります。
あなたが減量する場合に必要なカロリーの計算方法は過去記事で説明していますので、こちらを参考に計算してみてください。
例えば、年齢40歳男性Aさんの場合が身長170cm、体重70kg、体脂肪率20%だとすると、1日に必要な摂取カロリーの目安は2240kcalと出てきます。
あくまでも健康を維持するための摂取カロリーのため2240kcalいかにする必要があります。
ここで注意していただきたいのが、基礎代謝量以下のカロリー設定にしないことです。
基礎代謝量の計算は少し複雑なのでネット上の計算ツールや体組成計を利用するのがいいでしょう。
ネット上の計算ツールで算出されたAさんの基礎代謝量は1615kcalです。
Aさんが体重を落とすためには1615kcal以上2240kcal以下のエネルギーを目指す必要があります。
Aさんの減量カロリーを1日2000kcalとすると、ローファットダイエットの場合、脂質の摂取カロリーを10〜20%以内で計算すると1日の脂質量は200kcal〜400kcal。
脂質は1gあたり9kcalのため、Aさんの1日の脂質量は22.2g〜44.4gの範囲に納めるのが目標です。
- 1日に必要な摂取カロリーを計算
- 基礎代謝量を計算
- 基礎代謝量以上、摂取カロリー以下で1日のエネルギー量を設定
- 1日のエネルギー量の10〜20%を脂質に当てるようにする
ローファットダイエットが筋トレと相性がいい理由
ローファットダイエットはタンパク質を炭水化物がバランスよく食べられるダイエットなので筋トレとの相性がとてもいいです。
理由としては、トレーニング時のエネルギーとして炭水化物が使われるため、炭水化物を摂取するとトレーニングの効果が高まります。
高重量を持ち上げたり、運動の強度が増すほど炭水化物をエネルギーとして使う比率が上がるため、トレーニング前と後には炭水化物を摂取し筋肉の成長を助けましょう。
※詳しくはこちら
まとめ
ダイエット中は脂質をとってはいけないと考えている人が多いですが、全くとらないとホルモンバランスが崩れるなど、体の不調につながります。
タンパク質・脂質・炭水化物をバランスよく摂取し健康的でリバウンドしにくいカラダを手に入れましょう!